最高身長と40センチ差 今季奮闘続く支配下“最小兵”が生きる道

最高身長と40センチ差 今季奮闘続く支配下“最小兵”が生きる道

西武・水口大地【写真:荒川祐史】

「裏方」の苦労知る男、支配下「最小」163センチの西武・水口

 180センチ以上の高身長の選手がひしめくプロ野球界において、身長が高い、大きな体という要素が、ある程度のアドバンテージを持っていることは確かである。しかしそんな中で奮闘を続ける小兵がいる。それが埼玉西武の水口大地内野手だ。

 水口の身長は163センチ。現在支配下登録されているNPBの選手の中では最も小柄で、最高身長の北海道日本ハムのマーティン投手(203センチ)と比べると40センチもの差がある。今季はすでに34試合に出場するなど、1軍での出場機会を着実に増やしている水口だが、その道のりは決して平坦なものではなかった。

 独立リーグの1つである香川オリーブガイナーズでNPBを目指して戦っていたが、2011年に左肘を故障。これが原因で練習生となった水口を待っていたのは「裏方」としての仕事だった。ほかの選手のサポートはもちろんのこと、時にはマスコットの着ぐるみの中に入りファン対応をしたこともあった。

 怪我が完治した後、独立リーグでの活躍が目に止まり、2012年に埼玉西武から育成1巡目で指名を受けた。当初は育成登録のため背番号は3桁の「123」だったが、ファームで2桁の盗塁を記録するなどの活躍が認められ、2015年に念願の支配下登録。新しい背番号「00」を背負い、日本野球界最高峰で戦うプロの仲間入りを果たした。2016年には1軍初出場を果たすと、初安打・初打点を決めるなど結果を残している。

俊足に堅実守備、打者としても成長する「縁の下の力持ち」

 そんな水口の持ち味は、50メートル6秒を切る俊足と、小回りの利く身体を生かした堅実な守備だ。今季は4月29日に1軍昇格し、その日の千葉ロッテ戦で即スタメン出場。第1打席でいきなり安打を放つとすかさず盗塁も決め、ファンの心に強くその存在を印象付けた。以降は1軍に定着し、終盤の代走や守備固めとして出場機会を得ている。

 今季は打者としての成長も著しく、高いミート力を生かした堅実な打撃で、今季の成績は40打数14安打3打点、打率.350。三振はわずか「5」である。また、5月20日の福岡ソフトバンク戦にスタメン出場すると、自身初となる二塁打を放って勝利に貢献。今後はバットでのさらなる活躍にも期待が持てるだろう。

 スターティングメンバーには強打者が多く揃っており、豪快なイメージの強い埼玉西武打線だが、主力選手だけではシーズンを通して現在の順位を保っていくのは難しい。チームのさらなる浮上のためには、主力を「裏」から支える存在が欠かせないことを忘れてはならない。1軍の舞台で野球をするための苦労と、憧れの場所でプレーをしているという充実感。28歳にしてその両方を知っている水口が、次第にチーム全体に疲れが見え始める後半戦の支えとなれるか。小さな「縁の下の力持ち」から、これからも目が離せない。(「パ・リーグ インサイト」編集部)

(記事提供:パ・リーグ インサイト)

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