ドラフト候補同士の投げ合い 神戸弘陵エースが「やるしかない」の覚悟で力投

ドラフト候補同士の投げ合い 神戸弘陵エースが「やるしかない」の覚悟で力投

凡打の山を築いた神戸弘陵・東晃平【写真:沢井史】

腰痛から復帰の神戸弘陵・東が短期間の調整で力投

 神戸弘陵・東晃平、市尼崎・辻井亮汰。ドラフト候補と呼ばれるエース右腕の投げ合いは、やや荒れた幕開けとなった。

 17日の全国高校野球選手権兵庫大会3回戦、神戸弘陵-市尼崎の一戦。まず先にマウンドに立った辻井は、先頭打者を三振に斬って取ったものの、次打者を内野安打で出塁させ、その後右前適時打を許しあっさりと先制された。

 だが、その直後にマウンドに立った東も立ち上がりからボールが抜け、先頭打者を死球で歩かせ、以降は適時打や死球など6者連続で出塁を許し、2点を失って逆転を許してしまう。だが、2回表には神戸弘陵がすぐに同点に追いつき、試合はそのままこう着状態に。辻井がキレのあるストレートで三振を奪えば、東はカーブやスライダーを低めに集め、凡打の山を築いた。

 試合が動いたのは7回だった。1死から神戸弘陵の8番・福田梓温のレフトへの当たりを左翼手が目測を誤り左前の二塁打に。次打者が倒れ、2死二塁から1番・繁戸翔太の中越え適時二塁打で勝ち越し、流れは徐々に神戸弘陵に傾いていった。

3回戦で散った市尼崎・辻井「悔いはありません」

「あの場面の1球が一番悔しかった」と辻井。ストレートが真ん中に入ってしまい「完全な失投でした」と振り返る。

 昨夏はベンチではあったが甲子園を体感した。当時のエース・平林弘人が大会前にマスターしたツーシームを辻井も数日前にマスターし、この夏の新たな武器にするつもりだった。だが、「それ以前に昨秋と同じように、後半に粘り切れずに負けてしまいました」。昨秋は県大会の準々決勝で報徳学園に敗れた。その時のスコアも2−4。志半ばで夏を終えることになったが「悔いはありません」と淡々とした表情で高校野球を締めくくった。

 一方、東は春先から腰に違和感を覚え、診断の結果「左4番目の椎間板骨折」だったことが分かった。手術はせず、コルセットなどで腰を固定しながら上半身を鍛えるトレーニングをこなす日々を送った。実戦に復帰したのは6月の中旬。Bチームの練習試合で2試合登板したのち、履正社との練習試合で3回を投げ4失点。内容としては決して納得のいくものではなかったが「ここまできたら、やるしかない」と短期間にも関わらず急ピッチで調整を続け、今日の本番に備えた。

「投げた後、まだ少しハリはあります。でも投げている時は大丈夫」と笑顔を見せる東。「ここ1番の試合で踏ん張ってくれたのは、さすがうちのエースです」と岡本博公監督は東をねぎらった。次の4回戦では強打を誇る関西学院との一戦が待っている。(沢井史 / Fumi Sawai)

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