「バットが重く感じてた」― ホークス甲斐、圧巻の2打席連発生んだ黒バット

「バットが重く感じてた」― ホークス甲斐、圧巻の2打席連発生んだ黒バット

ソフトバンク・甲斐拓也【写真提供:福岡ソフトバンクホークス】

2発3安打4打点の活躍も甲斐に笑顔なし「悔しい気持ち」

 前夜のヒーローが「タカタ」なら、今夜のヒーローは「タクヤ」だった。19日の西武戦(北九州)。ソフトバンクの甲斐拓也捕手が自身初となる2打席連発を含む3安打4打点と大暴れ。それでも、試合後の甲斐には「結果的にそうなっただけ。それよりも、キャッチャーとして最後まで試合に出られなかったので、悔しい気持ち」と笑顔はなかった。

 1本目は2点を先制されて迎えた3回。先頭打者で打席に入ると、西武先発のファイフが投じた外角高めのカットボールを右翼席へ運ぶ4号ソロ。さらに、再び2点差に広げられた4回2死一、二塁で迎えた第2打席にも快音を響かせた。再びファイフから、内角のストレートを完璧に捉えると、打球はバックスクリーン左に飛び込む5号3ランに。今季、プロ初本塁打を放ったばかりの甲斐にとって、当然初めてとなる2打席連発となった。

 実はこの日、甲斐は普段とは異なるバットを使った。普段は中村晃からもらった白木のバットを極端に短く持って打席に入るのだが、この日、その手には黒いバットが握られていた。

「バットが重く感じていて、前の試合もボールに差されていた」

衝撃の2発生んだ黒バット「晃さんのバットよりも細くて、少し軽い」

 広島との交流戦の時に、同じ大分県出身の今宮からもらっていたバット。「晃さんのバットよりも細くて、少し軽いと思います」。いつもより長めに持ってのスイングが、驚愕の2打席連発を呼んだ。

 6回1死での第3打席でも、2打席目と同じような打球で中堅フェンス直撃の三塁打を放ち、明石の犠飛で6点目のホームを踏んだ。3打数3安打2本塁打4打点3得点。それでも、この日の試合後、ヒーローとなった甲斐に喜ぶ様子は一切なかった。

 バットでは大暴れした一方で、先発の松本裕ら投手陣は6回まで5点を失った。3安打目を放った直後の7回の守備で、高谷への交代を告げられた。この交代を工藤公康監督は「1点を守りにいった」と説明。奪ったリードを守るために、より経験豊富な高谷を送り込んだのだ。

「点を取られたのは僕の責任。キャッチャーとしてはまだまだ。代えられたというのはそういうこと。チームが勝ったのは良かったですし、高谷さんの力も借りて、先輩には感謝しています。これを受け入れて、少しでも信用してもらえるようになりたい」と最後まで笑顔のなかった甲斐。華々しい活躍の裏には、喜びをも吹き飛ばす悔しさを感じていた。(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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