鋭いスイングの秘密は10種のバット…大阪“公立の雄”大冠が東海大仰星破る

鋭いスイングの秘密は10種のバット…大阪“公立の雄”大冠が東海大仰星破る

東海大仰星を破った大冠の選手たち【写真:沢井史】

8回に東海大仰星エース河内を打者一巡の猛攻で捉える

 第99回全国高校野球選手権大阪大会は19日、3回戦が行われ、大冠が東海大仰星を8-4で下した。

 今春の近畿大会準優勝の東海大仰星を破ったのは、大阪の公立の雄・大冠(おおかんむり)だ。3回戦から屈指の好カードと言われた一戦。序盤は息の詰まる投手戦だったが、8回に大冠が打者一巡で6点を挙げ勝負を決めた。東海大仰星は毎回走者を送り出しながら、なかなか突き放せなかった。

 鋭い。とにかく鋭い。大冠の各打者のスイングの速さに、まず目が止まる。「投手以外は長打が期待できる」と東山宏司監督が自信を持つ強力打線は、普段の練習で1.5キロの長尺バットなど10種類のバットを用いた練習から培ったものだ。冬場の休日練習では、1日2000スイング、平日でも1000スイングを日課とし、どの学校よりも振り込んできたとナインは自負している。

 そのため、私学相手でも打ち負けない。4月には練習試合でセンバツ帰りの履正社を相手に11-9で下すなど、実戦でも自信をつけ「攻撃型のチーム。今年のチームは打ち勝つ試合ができる」と指揮官。スイングに加え、日々のトレーニングが功を奏し、各選手が身につけた公立校とは思えないほどがっちりした体格も目を引く。一昨夏には府大会ベスト4にも進出している実力校でもある。私学と引けを取らない“公立の雄”。この夏、大阪の高校野球の台風の目になる可能性を十分に秘めている。

東海大仰星の津沢主将「テングにだけはならないようにと…」

 東海大仰星はエース番号を付けた河内大地が好投を続けながら、8回に大冠打線に捕まった。「継投は考えてはいましたが、7回の切り方(抑え方)が良かったので、そのまま続投させましたが…ここは高校野球の難しいところですね」と上林健監督は振り返った。それでも春は府大会、近畿大会と強豪校をはねのけ、勝ち上がるごとに自信をつけてきたチーム。何より100人を超える部員をまとめてきた津沢大星主将が柱となる組織力も大きな武器だった。

「大黒柱(津沢)がいて、ここまで来られた。彼の発言にみんなが耳を傾けて、全員で戦ってきた」と指揮官。津沢も「近畿大会で準優勝して、テングにだけはならないようにとみんなで言い合ってきました。実際にそんな選手は1人もいなかったですが、春から夏にかけて伸びきれなかったところがあったのかも知れません」と大粒の涙をこぼした。

 春に自信をつけても、なかなか勝ち上がることが難しいのが大阪の夏。また一つのチームの夏が終わったが、今日の試合で見せた大冠のひと振りが、他のライバル校の闘志に火をつけたことは間違いないだろう。(沢井史 / Fumi Sawai)

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