17年前の決勝と同じ光景…春日部共栄、4強サヨナラ敗退も「100点あげたい」

準決勝で浦和学院に9回サヨナラ負けも、2年生左腕・大木が好投「よく放ってくれた」

 第99回全国高校野球選手権埼玉大会第13日は24日、県営大宮公園球場で準決勝が行われ、浦和学院と花咲徳栄が26日の決勝に進んだ。両チームによる決勝対決は初。浦和学院は春日部共栄を3-2の9回サヨナラで下し、花咲徳栄は山村学園に11-1の7回コールドで快勝した。

 時は2000年7月30日、所は県営大宮公園球場。スタンドは春日部共栄と浦和学院の決勝に門前市をなす盛況ぶり。中里篤史と坂元弥太郎。この年の高校球界を代表する右腕が投げ合い、試合は1-1のまま延長戦にもつれ込んだ。

 春日部共栄が10回表2死満塁の好機を逃すと、浦和学院はその裏2死一、二塁から3番・丸山亮太が中前打を放った。本塁で微妙なクロスプレーとなったが、サヨナラ勝ちで5度目の優勝を果たす。

 坂元は甲子園でも、滋賀・八幡商との1回戦で19奪三振の大会タイ記録を樹立し、ドラフト4位でヤクルトに入団。敗れた中里も中日から1位指名される怪腕だった。

 そして、時は2017年7月24日、所は県営大宮公園球場。春日部共栄と浦和学院の準決勝。2-2の9回裏、浦和学院は2死二塁から本田渉(3年)が右中間へ抜けそうな強烈なゴロを放つ。春日部共栄の二塁手・川畑光平(3年)が好捕し、本塁に送球したが、走者はチームで最も走塁のうまい蛭間拓哉(2年)だ。際どいクロスプレーからサヨナラの生還。17年前と全く同じ光景が広がった。

「奇跡ですよ、奇跡。点数? 100点をあげたい。よく放ってくれた。言うことはない」

好ゲームの後に指揮官が発した言葉「やらされた練習ではうまくなりませんから」

 春日部共栄のベテラン本多利治監督は、公式戦初先発の大役を担った2年生左腕・大木喬也を褒め抜いた。浦和学院の強力打線を相手に9回1死まで4安打2失点の好投。先発を告げたのは試合当日だが、指揮官は4月にはこの準決勝に照準を合わせ、大木の登板を決めていた。

 春季大会4強。「順当に勝ち上がれば(春、決勝進出の)浦和学院か花咲徳栄と当たることになる。両チームとも左打者がズラリ並ぶから、大木を鍛え上げることだけに力を注いだ」と温めていた戦略を明かした。

 夏に向け、課題の制球力を安定させ、変化球の切れに磨きを掛けることだけに専心させた。2回にソロ本塁打、5回に内野手の失策が絡んで計2失点したが、連打は1度も許さなかった。9回に先頭打者に痛打され、送りバントで1死二塁となったところでエース高橋大地(3年)にマウンドを譲った。

 大木は「初回に先頭打者を打ち取ったら緊張も取れて、腕をよく振れました。でも(完投できず)高橋さんに回してしまって申し訳ない。来年はウラガクを倒して甲子園に行きたい」と無念さをにじませた。

 古くからの宿敵同士が、意地と意地をぶつけ合った今大会でも指折りの好試合だった。はけ口を求める先は練習しかないとし、本多監督は残された部員へ珠玉の言葉を発した。

「1、2年生は自分たちから猛練習してくれると思う。やらされた練習では強くはなりませんから」(河野正 / Tadashi Kawano)

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