チームに必要不可欠な“スーパーサブ” 途中出場でも結果を残した選手は誰だ?

チームに必要不可欠な“スーパーサブ” 途中出場でも結果を残した選手は誰だ?

ソフトバンク・周東佑京(左)と日本ハム・杉谷拳士【写真:荒川祐史】

途中出場の打席リーグ最小も、今季来日7年目の助っ人が要所で仕事

 プロ野球の長い歴史のなかでも、スタメン9選手全員がシーズンフル出場をすることはまず考えられない。スタメンの選手が大きな脚光を浴びることは当然だが、控え選手の支えがあることでチームはシーズンを戦い抜くことができる。今回は、チームごとに途中出場選手全体の打撃成績を挙げ、途中出場で結果を残した選手を取り上げていく。

【西武】
○途中出場選手全体の成績
163打数28安打5本塁打27打点、打率.172 出塁率.261

○主な個人成績
メヒア内野手 51試合11安打4本塁打15打点、打率.239 出塁率.357
佐藤龍世内野手 39試合4安打1本塁打2打点、打率.222 出塁率.263

 西武は途中出場選手の打数がリーグ最少(163打数)だった。そのため、強力打者がそろう打線のイメージに反して、打率と打点もリーグ最少となっているが、裏を返せば、先発メンバーがフル出場できていたことの証明にもなる。今季は秋山翔吾外野手がメジャー挑戦のために渡米。2015年から5年連続フルイニング出場を果たしてきた穴を埋める新たなスタメンが見られるかもしれない。

 そんな中、試合途中からでも結果を残したのがメヒア。途中出場となった51試合は全て代打からの出場であり、特に楽天の守護神・松井裕樹投手に対して3本塁打、打率.750と相性が良かった。一方で、先発出場時には打率.195と悔しい結果に。昨オフに3年契約が終了したが、残留を決意しただけに自身も勝負の一年となる。同ポジションの山川穂高内野手を脅かし、先発出場を増やせるか。

 打席数こそ少なかったが、今季プロ2年目を迎える佐藤龍に注目。昨季は代打として4打席のみの出場であった一方、主に三塁手として途中出場を果たし、ルーキーながらも、シーズンを通して1軍の戦力となった。最後の出場となった9月26日の楽天戦では、途中出場ながらも2号ソロを放つ活躍も見せている。多くの途中出場で得た経験を、今度は先発出場で生かしたいところ。

鷹の韋駄天は途中出場から圧巻16盗塁、今季移籍の福田秀平も出色の成績

【ソフトバンク】
○途中出場選手全体の成績
297打数72安打10本塁打43打点、打率.242 出塁率.315

○主な個人成績
周東佑京内野手 79試合3安打0本塁打2打点、打率.176 出塁率.222(16盗塁)
福田秀平外野手 44試合8安打4本塁打11打点、打率.308 出塁率.357

 ソフトバンクはリーグ1位の途中出場選手打率.242を記録。全選手を含めたチーム打率が.251であることを考えれば、スタメンと途中出場の選手の間の差が非常に少なかった。本塁打数でもリーグ最多の10本塁打を記録しており、選手層の厚さは間違いなくリーグ屈指であると言える。

 周東はパ・リーグトップの79試合に途中出場した。打撃では19打席のみの出場にとどまったが、最大の武器である足では、途中出場から16盗塁を記録。シーズン通算では25盗塁であったため、その半数以上を代走などの途中出場で決めている。今季は走塁のスペシャリストとして、より一段の成長を期待したい。

 福田秀は、昨季の途中出場選手全体で最も結果を残したと言っていいだろう。シーズン80試合出場のうち、44試合に途中出場。臨機応変な対応が求められるなかで、4本塁打、打率.308の好成績を残した。今季は出場機会を求めてロッテへ移籍。試合開始からその打棒を存分に発揮してもらいたいところだ。

 福田秀が抜けたソフトバンクだが、控えには左キラーの川島慶三内野手(30試合、打率.360)や、ユーティリティープレイヤーの明石健志内野手といった信頼できるメンバーがそろう。今季も万全の布陣でシーズンに臨むだろう。

今季23歳&38歳が堅守で貢献、打席では途中加入の下水流昂が左キラーに

【楽天】
○途中出場選手全体の成績
270打数63安打8本塁打31打点、打率.233 出塁率.315

○主な個人成績
村林一輝内野手 42試合0安打0本塁打0打点、打率.000 出塁率.000
藤田一也内野手 39試合11安打2本塁打7打点、打率.250 出塁率.298
下水流昂外野手 32試合9安打0本塁打1打点、打率.300 出塁率.417

 リーグ全体に比べ、途中出場の選手が打撃で目立つ機会が少なかった楽天。ただ、守備面では村林がその能力を発揮。二塁、三塁、遊撃と内野の守備固めとして42試合に途中出場、先発出場を含めて108.1イニングを守り、失策はわずかに1つだった。ただ、打撃では、途中出場で3打数0安打、先発出場でも21打数2安打と未熟さが目立った。プロ5年目は、持ち味の守備力を生かすために打撃面での成長に期待がかかる。

 ベテラン・藤田も全61試合のうち39試合に途中出場。村林と同じく、二塁、三塁、遊撃を守った。今季で38歳のベテランであるが、球界トップクラスの守備力は健在。特に遊撃では先発出場を含めて139イニングを守り、失策はわずかに2つのみだった。また、打撃でも代打として36回起用されており、2度の同点弾を放つなど勝負強さを発揮している。

 打撃面で結果を残したのは下水流だ。32試合に途中出場し、打率.300を記録している。うち23試合は代打起用であり、19打数6安打、打率.316と結果を残している。代打で安打を放った相手は全て左投手と、新たな「左キラー」の誕生を感じさせる内容だ。外野は助っ人のブラッシュ、ロメロが守るかどうかの兼ね合いもあるが、プロ2年目の辰己涼介外野手を除いて激戦区状態。与えられたチャンスをものにして、今度はスタメンとして活躍を見せられるか。

岡大海が61試合出場。3年ぶり100試合超えの清田育宏は代打でインパクト残す

【ロッテ】
○途中出場選手全体の成績
260打数57安打5本塁打30打点、打率.219 出塁率.297

○主な個人成績
岡大海外野手 61試合8安打3本塁打6打点、打率.242 出塁率.375
清田育宏外野手 34試合10安打1本塁打9打点、打率.313 出塁率.421

 周東に次ぐリーグ2位の61試合に途中出場した岡。代打成績は11打数2安打だったが、うち1安打は9回表2死からの同点打と印象強い活躍を見せた。また、代打を差し引いた途中出場では22打数6安打3本塁打の成績を残している。抜群の身体能力で、荻野、角中、マーティン、そして新加入の福田秀らがひしめく外野争いに割り込めるか。

 清田はシーズンを通して117試合に出場した一方で、そのうち34試合は途中出場。うち32試合は代打での出場であり、27打数8安打、打率.296と重圧のかかる場面で何度もチームを救ってみせた。今季も勝負強い打撃を発揮し、チームを勢い付かせる存在になりたい。

1位は昨季引退の田中賢介、伏兵候補は必ず球場を沸かせるあの選手

【日本ハム】
○途中出場選手全体の成績
272打数61安打5本塁打27打点、打率.224 出塁率.287

○主な個人成績
田中賢介氏 63試合14安打1本塁打8打点、打率.237 出塁率.308
杉谷拳士内野手 58試合12安打1本塁打3打点、打率.245 出塁率.327

 昨季で引退した田中賢介氏がチーム最多の63試合に出場。シーズン開幕前に引退を表明したラストイヤーでありながら、その貫禄を示した。うち60回が代打出場であり、14安打を記録。特に5月29日のロッテ戦では、8回裏2死から逆転2ランを放ち勝利を呼び込むなど、チームに大きく貢献した。裏を返せば、今季から田中氏に代わる存在が求められる。

 そこで挙がるのが、チーム2位の58試合に途中出場した杉谷だ。もちろん、レギュラー獲得が最大の目標であることには変わりないが、一塁、二塁、外野を守れるユーティリティー性は途中出場の要としてのポテンシャルも高い。実際のところ、今季は83試合中58試合に途中出場し、シーズン成績を上回る打撃成績を残している。その名前がコールされるだけでも球場が大きく沸く人気は、試合の流れにも大きな変化を与えるだろう。

後藤駿太の肩は文句なし、小島脩平は投手と捕手以外で全ポジション出場&代打打率.333

【オリックス】
○途中出場選手全体の成績
401打数84安打3本塁打39打点、打率.209 出塁率.289

○主な個人成績
後藤駿太外野手 57試合7安打0本塁打5打点、打率.146 出塁率.241
小島脩平内野手 43試合13安打1本塁打4打点、打率.289 出塁率.319

 オリックスは、途中出場選手の打数がリーグ最多の453を記録。流動的なスタメンである反面で、多くの選手が打席に立つことができたとも言える。安打数はリーグトップだったものの、本塁打数はリーグ最少と打席の多さに比例しない結果となった。控え選手の本塁打数は目指して増加させられる数字ではないものの、長打力のある選手の台頭には期待したいところ。

 チーム最多の57試合に途中出場した後藤はシーズン通算で91試合に出場し、打率.224だったが、途中出場では打率.146。途中出場分を差引くと打率.256となる。ただ、6月には月間打率.296を記録するなど向上の兆しは見せた。圧倒的な身体能力を生かした守備は球界屈指であるだけに、今季はバットで先発出場の数をさらに増加させたい。

 小島は103試合に出場し、うち43試合が途中出場。守備位置も投手と捕手以外の全てのポジションを守るユーティリティーさを発揮し、流動的な起用パターンにも応えた。シーズン通算では打率.220であったものの、途中出場に限れば打率.289の好成績。特に代打では32回の起用で打率.333を記録。攻守にわたって屋台骨としてチームを支えた。

 今季は例年よりもシーズンが短縮される一方で、1か月あたりの試合数は増加していくことが予想される。その場合、過密日程におけるスタメン選手のコンディション管理も非常に難しいものになってくるだろう。球界全体がシーズンの大きな変化に対応していかなくてはならないなかで、真っ先にスポットライトが当たるのはこうした途中出場の選手たちだ。開幕後は選手の起用法にも注目していきたい。(「パ・リーグ インサイト」吉田貴)

(記事提供:パ・リーグ インサイト)

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