【私が野球を好きになった日17】ダイエー日本一に惚れた 書道家・原愛梨さんが描く王監督胴上げ

【私が野球を好きになった日17】ダイエー日本一に惚れた 書道家・原愛梨さんが描く王監督胴上げ

書道アーティストとして活躍する原愛梨さん【写真:本人提供】

「選手たちがヒーローに見えて、キラキラしていて格好いいな、と思ったのを覚えています」

 本来ならば大好きな野球にファンも選手も没頭しているはずだった。しかし、各カテゴリーで開幕の延期や大会の中止が相次ぎ、見られない日々が続く。Full-Countでは選手や文化人、タレントら野球を心から愛し、一日でも早く蔓延する新型コロナウイルス感染の事態の収束を願う方々を取材し、野球愛、原点の思い出をファンの皆さんと共感してもらう企画をスタート。「私が野球を好きになった日」の第17回は人気、知名度が急上昇している書道アーティストの原愛梨さんだ。

 あるデザインを名前や言葉で象っていく書道アート。原愛梨さんは、選手の打撃フォームや投球フォームをもとに、その選手の名前で象っていくというアートで注目を集めた。もともとはSNSで発信していたが、今ではテレビ番組にも出演するなど、その名を知られるようになった。書道アーティストとしての顔とともに、原さんは野球ファン、そして地元福岡のソフトバンクを応援する「タカガール」としての顔を持つ。

 福岡県出身の原さんが野球を好きになった日は、2003年まで遡る。まだダイエーの時代。野手では井口資仁や松中信彦、城島健司、川崎宗則が中心を担い、投手では斉藤和巳や杉内俊哉、和田毅らがいた。王貞治監督のもとでホークスが4年ぶり6度目の日本一に輝いた年だ。

 当時、小学生だった原さんは父や姉に連れられて、福岡ドーム(現PayPayドーム)に足を運んでいた。そして、強烈な印象を残したのが2003年の日本一だった。「ルールも分からず、父や姉に連れられて野球を見にいっていました。その中でも覚えているのが、2003年の日本一の瞬間です。地元のチームが、行ったことのない遠いチームに勝って、優勝を、日本一を持ってきてくれた。選手たちがヒーローに見えて、キラキラしていて格好いいな、と思ったのを覚えています」。今回、原さんにはこれをテーマに作品を描いてもらった。完成したのは選手たちの手によって胴上げされる当時の王貞治監督だった。

「私たちは野球を忘れたわけじゃない。選手、球団がある限りずっと応援しています」

 当時の推しメンはマリナーズでも活躍し、ホークスの歴史に残るレジェンドとなった城島健司捕手(現会長付き特別アドバイザー)だったという。「当時は城島選手が好きでしたね。バッターもできて、キャッチャーもできる。強いし、なんでもできるところに惹かれましたね。父も姉も城島さんのファンでした」と振り返る。

 そして、原さんをさらに野球にのめり込ませることになったのが、ソフトバンクの2軍本拠地タマスタ筑後との出会いだった。福岡・大川市のPRレディーになり、タマスタ筑後で行われたイベントに出演したり、司会を務める機会があった。「その時に選手の皆さんと一緒になることがあって、やっぱり格好良いなと思ってそこからより熱中するようになりました」。

 選手を象った書道アートは選手の間にも知れ渡るようになり、作品を欲しいといった声や書いて欲しいといった声が原さんのもとにも舞い込むようになった。球界での広がりに「これこそ書道アートが繋いでくれたと思っていますし、世界に繋がっていけばいいなと思います」と驚くばかりだという。

 新型コロナウイルスの感染拡大で開幕が延期となっているプロ野球。原さんもまた、再び球音が戻ってくる日を心待ちにしている1人だ。「野球への欲は高まっていますけど、でも、何よりも今は皆さんの健康が第一。しっかり準備をしてもらいたいという思いです。私たちは野球を忘れたわけじゃない。選手、球団がある限りずっと応援しています。だから、焦らずにものごとを進めて欲しいと願っています」。選手、球団がある限り――。ファンの思いを代弁するかのような一言だった。(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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