80歳の誕生日を迎えた王貞治会長 工藤監督が「器の大きさ」感じたエピソード

80歳の誕生日を迎えた王貞治会長 工藤監督が「器の大きさ」感じたエピソード

ソフトバンク・王貞治球団会長【写真:藤浦一都】

「監督室は開けてある」と選手たちに語っていた王貞治“監督”

 ソフトバンクの王貞治球団会長が20日、80歳の誕生日を迎えた。1940年5月20日生まれの王会長。現役時代には通算868本塁打という世界記録など様々な金字塔を打ち立て、現役引退後はダイエーの監督や第1回WBCで優勝した侍ジャパンの監督を務めた。現在はソフトバンクの会長として常勝軍団の礎を築いた。

 その王会長の傘寿の誕生日を前に、教え子でもあるソフトバンクの工藤公康監督が、王会長の知られざるエピソードを披露した。分離練習が始まった19日の練習終了後、オンライン会見に臨んだ工藤監督は、王監督の下でプレーした現役時代を振り返った。

 王会長との思い出は「たくさんあります」と語る工藤監督。1994年オフに西武からFAでダイエーに移籍した際の監督が王会長で、さらに秋山前監督の退任に伴い、工藤監督に監督就任のオファーを出したのも王会長だった。工藤監督にとっても「王会長がホークスが強くなるきっかけを作った、野球に大切なものが何かを教えてくれた」と語る恩師である。

 当時の工藤投手がダイエーに移籍した1995年は王監督の就任1年目だった。就任したばかりの王監督は選手たちにこう話していた、と工藤監督は振り返る。「『監督室は開けてあるからな。相談や悩みがあるならいつでも来ていいぞ』と。私も真に受けて、監督室に他の選手を連れて行ったことがあるんです」。

 当時、中継ぎを任されていた左腕が実は先発を希望していた。悩む姿を見た工藤投手はその選手を連れて、王監督の監督室をノックしたという。「その選手に相談に行ってみたらどうだ、と言ったら『僕なんか』と遠慮していたから連れて行ったんです」。王監督はその選手の話に耳を傾け、そして「3回チャンスをあげよう。1回でもいいピッチングしたら先発ローテに入れてやる」と答えたという。

 当時を振り返った工藤監督は「現役時代に凄いなと思いました。先発ローテは結果を残して、コーチらに認められて、段階を踏んでいくもの。王監督が思いに応えてくれたのが感動しましたね。王会長の器の大きさを感じたエピソードです」という。

 工藤監督は実名こそ明かさなかったが「結局、その投手は結果が出なくてその後はリリーフだったんですけど、40歳までリリーフで現役を続けられた。僕と同じ左投手です」と回顧していた。80歳の誕生日を迎えた“世界の王貞治”。まだまだ野球界の未来のために尽力していただきたいものだ。(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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