米専門家が改めて称賛した、イチローの打撃技術「シフトを敷いてはいけない」

米専門家が改めて称賛した、イチローの打撃技術「シフトを敷いてはいけない」

マーリンズ・イチロー【写真:Getty Images】

入念な準備にも改めて称賛の声「維持するために凄まじい努力をしている」

 メジャーリーグでは近年、極端な守備隊形シフトを敷く球団が多い。スカウティングシステムの向上で打球方向の傾向が明らかになっており、従来はパワー系バッターに適用されることが多かったシフトが多くの打者に対しても用いられている。

 ただ、強打者や好打者の揃うメジャーでシフトが通用しない男がいると、米メディアが伝えている。マーリンズのイチロー外野手だ。

 イチローは29日(現地30日)の本拠地レッズ戦で出番なしに終わったが、28日(日本時間29日)の本拠地レッズ戦では2-3と1点を追う6回無死一塁の場面で代打で出場。勝負強いバッティングで二塁打を放ち、チャンスを拡大して同点打を呼び込むと、チームは7-4で逆転勝利を飾った。

 7月の月間打率を.375に上昇させたイチローはこの試合、敵地シンシナティで生中継したテレビ局「FOXスポーツ・オハイオ」の中で、その卓越した打撃技術を改めて称賛されていた。

「私がイチローについて最も感銘を受けるのは、試合のアプローチに対する規律です。その正確さです。彼の準備の全て。バント練習もそうです。バッティング練習ではホームランを打ちまくります。誰よりも遠くに飛ばせるんです。スピードがあり、際立ったディフェンダー、正確無比な肩を持つ選手です。しかし、彼はそれを維持するために凄まじい努力をしています」

 こう語っていたのは、元投手の解説者クリス・ウォルシュ氏。メジャーリーグでも広く知られている、背番号51の試合への入念な準備をまず高く評価した。これが、メジャー最年長野手になった現在も圧倒的なスピードと堅守を誇るイチローの揺るぎないバックボーンになっていると指摘している。

「彼はトニー・グウィンのようにディフェンスの穴を見通す」

 そして、徹底したプロ意識に支えられたイチローの打撃にはシフトは通用しないと、同氏は語った。あらゆる方向に打球を飛ばすことが出来る“安打製造機”のバッティングから傾向を割り出すことは出来ない。

「イチローはいまだ走れるので、ゴロでのダブルプレーも簡単ではありません。シフト全盛期になっていますが、彼はシフトしてはいけない選手です。彼はトニー・グウィンのようにディフェンスの穴を見通すのです。その穴を露呈させるのです」

 2014年に唾液腺癌で他界したグウィン氏はパドレス一筋で活躍し、首位打者8度、通算3141安打など輝かしい実績を残した。2007年には米国野球殿堂入りを果たしている同氏は、メジャー史に名を残すコンタクトヒッターとして知られている。

 グウィン氏にように守備網の間を射抜いたり、内野へのゴロでも衰え知らずの韋駄天ぶりで一塁をあっという間に駆け抜けるイチローのバッティングには、守備シフトは通用しない。メジャー最年長野手になった現在も、敵地メディアからも敬愛の念を示されている背番号51は、どこまでヒット数を伸ばすのだろうか。(Full-Count編集部)

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