V字回復のきっかけか 巨人がNPB新記録6戦連続3本塁打以上

過去4例あった5戦連続3本塁打以上のNPBが記録を更新

 巨人は8月5日の中日戦で3本塁打を放ち、6試合連続3本塁打以上を記録。従来、4例あったチーム連続3本塁打以上の記録「5」を更新した。

 この記録が始まる前、7月29日時点での巨人は、チーム打率.243でリーグ5位、本塁打数59本は最下位だった。それが5日時点では打率.250、本塁打数78本でそれぞれ3位にまで急上昇している。

 その記録を見てみよう。名前の横の数字は今季の本塁打本数。

7月30日DeNA ○5-4(東京ドーム)
・3本 マギー11、石川4、陽4

8月1日 ヤクルト ○10-3(静岡草薙球場)
・3本 マイコラス1、亀井3、4

8月2日 ヤクルト ○10-4(神宮球場)
・3本 阿部12、村田7、8

8月3日 ヤクルト ●5-7(神宮球場)
・3本 陽5、6、坂本勇12

8月4日 中日 ●5-6(東京ドーム)
・4本 陽7、長野10、マギー12、橋本到1

8月5日 中日 ○8-2(東京ドーム)
・3本 長野11、阿部13、陽8

計19本 陽5本、マギー、阿部、亀井、村田各2本

 FA移籍してから故障で出遅れていた陽岱鋼が打線に活力を与えている。また、8月1日の投手マイコラスの一発がなければ、この記録は途切れていた。本塁打が出やすいとされる東京ドーム、神宮球場での試合で記録されているのも注目だ。

5戦連続本塁打の例は…1980年の近鉄は強力打線

 過去の5試合連続3本塁打以上の記録も見ていこう。順位はそのシーズンの最終順位。

【1980年近鉄・1位】

5月27日 南海 ○7-2(日生球場)
・3本 マニエル12、吹石5、栗橋8

5月28日 南海 ●4-6(日生球場)
・3本 平野7、栗橋9、梨田6

5月29日 南海 ○14-4(日生球場)
・3本 マニエル13、14、栗橋10

5月30日 日本ハム ○7-3(日生球場)
・3本 羽田5、吹石6、梨田7

6月3日日本ハム ○8-5(西京極球場)
・5本 羽田6、7、佐々木6、小川7、梨田8

計17本 羽田、栗橋、梨田、マニエル各3本、吹石2本

 この年の近鉄はチーム最多本塁打記録239本(当時)を記録。赤鬼マニエル、羽田耕一、栗橋茂、平野光泰が20本塁打、他に6人が10本塁打以上を打つけた外れの破壊力で優勝した。主として両翼90m、中堅116mの狭い日生球場で生まれた記録だ。

【1987年阪急・2位】
9月5日・ロッテ △5-5(秋田市営八橋球場)
・4本 熊野8、松永8、9、石嶺24

9月6日・ロッテ ○9-6(秋田市営八橋球場)
・5本 ブーマー26、27、蓑田12、藤田6、石嶺25

9月8日・近鉄 ○13-7(藤井寺球場)
・4本 ブーマー28、石嶺26、藤田7、弓岡5

9月9日・近鉄 ○6-4 (藤井寺球場)
・3本 高橋2、石嶺27、ブーマー29

9月10日・近鉄 ○6-3 (藤井寺球場)
・3本 石嶺28、藤田7、ブーマー30

19本 ブーマー5本、石嶺4本、藤田3本、松永2本

 ブーマー、石嶺の両主砲を中心とする強力打線で記録。本拠地の西宮球場ではなく、地方球場と敵地で記録された。

セ・リーグ初の記録は1991年の中日

【1991年中日・2位】

6月26日・大洋 ○10-2(横浜スタジアム)
・4本 宇野9、大豊11、12、落合9

6月27日・大洋 ○12-4(横浜スタジアム)
・4本 宇野10、大豊13、落合10

6月29日・巨人 ○6-0(ナゴヤ球場)
・3本 宇野11、ライアル11、山口1

6月30日・巨人 ○7-2(ナゴヤ球場)
・3本 ライアル12、立浪4、落合11

7月3日・広島 ○11-1(広島市民球場)
・5本 ライアル13、中村武7、大豊14、15、立浪5

19本 大豊5本、落合、ライアル、宇野3本、立浪2本

 セ・リーグ初の記録。この年、本塁打王になった落合博満をはじめ、20本塁打以上が5人の強力打線だった。

【2008年西武・1位】

4月25日・オリックス ○9-5(西武ドーム)
・4本 中島4、GG佐藤5、中村5、赤田1

4月26日・オリックス ○10-8(西武ドーム)
・3本 ボカチカ2、中村6、中島5

4月27日・オリックス ○10-3(西武ドーム)
・3本 ボカチカ3、4、細川3

4月29日・ソフトバンク ●7-10(西武ドーム)
・3本 GG佐藤6、中島6、ブラゼル11

4月30日・ソフトバンク ○6-2(西武ドーム)
・4本 片岡1、中島7、中村7、江藤1

17本 中島4本、中村、ボカチカ3本、GG佐藤2本、

 NPBの本拠地球場の大部分が両翼100m中堅120mクラスになって初めての記録。すべて本拠地球場で記録された。中村剛也が本塁打王、他に4人が20本塁打以上の巨力打線で優勝した。

 過去の5試合連続3本塁打以上の4球団は、もともと強力打線であり、その力で優勝あるいは2位になっている。今年の巨人の打線は、ここまでの成績は低迷していたが、突如、本塁打を量産し始めた。

 これをきっかけに巨人がV字回復するのか、注目したい。(広尾晃 / Koh Hiroo)

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