8年目のソフトB今宮、「守備の人」から 「走攻守」揃った遊撃手へ

8年目のソフトB今宮、「守備の人」から 「走攻守」揃った遊撃手へ

ソフトバンク・今宮健太【写真:荒川祐史】

26歳で球界屈指のショートストップ、そして次なるステージへ

 福岡ソフトバンクの今宮健太内野手が好調だ。華麗な守備と巧みな犠打に加えて、今季は打撃でも存在感を示してきた。打線におけるバイプレーヤーとして高い評価を得てきた若き名手が、8年目にしていよいよ新たなステージへの扉を開きそうだ。

 明豊高校時代には、投手と遊撃手、三塁手を兼任し、「九州の怪童」と呼ばれた。2009年の夏の甲子園では投打に躍動し、現在のチームメイトである島袋を擁する興南高校、阪神の秋山を擁する西条高校、広島の庄司を擁する常葉学園橘高校を劇的に破る。準々決勝で埼玉西武の菊池を擁する花巻東高校に敗れるものの、その試合で先発・三塁手・抑えを務めて自己最速を更新する154キロを記録し、高校野球史に残る激闘を繰り広げた。

 同年のドラフトで、福岡ソフトバンクから1位指名を受けてプロ入り。身長172センチと小柄な体格ながら、打者としては高校通算62本塁打、投手としては甲子園球速ランキング2位に名を連ねるなど、その野球センスは折り紙付きだった。

 プロ3年目となる2012年から、川崎の渡米に伴って1軍に定着し、遊撃のレギュラーの座を勝ち取る。選手層の厚い福岡ソフトバンクでも主力選手としての自身の立場を確保したが、昨季までの今宮は、小技と守備力をこそ高く評価されていた。

 強肩と身体能力を生かしたディフェンス能力の高さは広く知られるところであり、2013年から昨季まで4年連続でゴールデングラブ賞を受賞。守備力に定評のある名手たちがひしめき合う遊撃手というポジションでもその存在感は際立っており、26歳という若さですでに球界屈指のショートストップとしての地位を確立している。

入団時の目標は松井稼、「脇役」から「主役」へと変貌なるか

 今宮の能力を語る上で、犠打に関する数々の記録も欠かすことはできない。パ・リーグの最多記録であるシーズン62犠打を2013年、2014年と2年連続で記録。今季の7月には史上最年少となる25歳11か月で通算250犠打を達成するなど、細やかな働きで戦略の幅を広げる役割を全うしてきた。

 縁の下の力持ちとしてチームを支える姿が高い評価を受ける一方、打撃面ではプロ入り前の高い期待に完全に応えられているとは言い難かった。本塁打は昨季自身初の2桁を記録したが、打率はこれまで2013年の.253が最高。俊足を持ちながら盗塁数も2013年と2014年に記録した10が最多と、なかなか「守備の人」という印象を拭い切れないでいた。

 しかし、今季は主に制約の多い2番を務めながら、ここまで104試合388打数107安打8本塁打、打率.276をマーク。盗塁数も12と、すでに自己最多を更新している。8月13日の北海道日本ハム戦で二塁打を放つまで5試合連続無安打に終わるなど、まだ調子の波は激しいものの、キャリアハイのシーズンとなりそうな気配だ。

 入団会見で「目標は松井稼頭央さん。3割30本30盗塁という壁を越えたい。まず2000本安打を打って、さらにその上を目指し、目標高くやっていきたいです」と語っていた18歳の今宮。これから「守備の人」の称号を返上し、楽天の松井稼や同僚の柳田のように走・攻・守三拍子揃ったスターとなれるか。夢を語った会見から8年、「脇役」から「主役」へと変貌を遂げつつある今宮に要注目だ。(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)

(記事提供:パ・リーグ インサイト)

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