「彼は彼らしく」―ダルビッシュにド軍主砲が“金言”「エースはカーショー」

「彼は彼らしく」―ダルビッシュにド軍主砲が“金言”「エースはカーショー」

ドジャース・ダルビッシュ有【写真:Getty Images】

主砲ゴンザレスが「気負うな」と助言、「彼は彼らしくあればいいんだ」

 7月31日のトレード期限ギリギリにレンジャーズから移籍したドジャースのダルビッシュ有投手は、16日(日本時間17日)のホワイトソックス戦で本拠地デビューを果たす。移籍後、2試合先発で2勝を挙げている右腕は“世界一請負人”としての使命を果たしているが、チームの主砲からは「気負うな。エースはカーショーなんだから」と精神的なプレッシャーを軽減する金言を受けている。古巣の地元紙「スター・テレグラム」が報じている。

 レンジャーズで絶対的なエースだったダルビッシュは西海岸の名門に加入し、チーム内での立ち位置に変化が生まれたという。

 記事では「テキサス・レンジャーズではダルビッシュはスペシャルだった。彼はチームの希望で、彼もそれをわかっていた。ロサンゼルス・ドジャースにおいては、彼は普通の選手だ。そして、彼も承知している」と伝えている。

 現在、メジャー最高勝率を誇り、ワールドシリーズ制覇の筆頭候補に推されるドジャースは投打にキラ星のスターが揃っている。2013年シーズンに最多奪三振を記録してサイ・ヤング賞投票で2位に入り、今季終了後にはフリーエージェント(FA)市場で最大の目玉と評価されるダルビッシュとはいえ、新天地では特別な存在ではないという。

 それでも、優勝候補の大本命がトレード期限のギリギリで獲得した右腕には、“世界一請負人”の期待がかかる。記事でも「もしも、ドジャースが今年ワールドシリーズで優勝できなくても、それはただ単にダルビッシュだけの失敗ということにならない。プロスポーツ界で前代未聞の大失敗ということになるだろう」と分析。レギュラーシーズンで圧倒的な強さを見せているドジャースがポストシーズンで敗退することは、スポーツ史に残る大番狂わせになるというのだ。

ダルビッシュ獲得はフロントから選手への決意表明?

 スター軍団の中で異質なプレッシャーを味わうことになる日本人右腕だが、腰痛で長期離脱を強いられている主砲エイドリアン・ゴンザレス内野手は金言を送ったと、同紙は伝えている。

「彼は彼らしくあればいいんだ。それ以上のことはしなくていいんだ。彼は我々が目標に到達するためのピースの1つになるだろう。ここに移籍してきてエースになるなんてことは期待されていない。カーシュがエースなんだから」

 同じく腰痛で戦線離脱中のクレイトン・カーショーという絶対的なエースがドジャースには君臨している。カーショーは29歳の若さでサイ・ヤング賞をすでに3度も手にしているメジャー最強左腕。レンジャーズ時代はコール・ハメルズ投手とのダブルエース体制ながら、チームの屋台骨を支え、味方打線の援護をなかなか手にできなかったダルビッシュだが、ドジャースでは余計な気負いや、エースの重圧を感じる必要はないと強打者は語っている。

 ダルビッシュ加入以前からドジャースは無敵の強さを誇っていた。イチロー外野手がルーキーだった2001年シーズンにマリナーズが記録した116勝というMLBタイ記録に迫るペースで白星を重ねていただけに、確かに気負う必要はないだろう。

 救援のブランドン・モロー投手も記事の中で「こういう補強は、全部を突っ込んだんだ、自分たちがバックに付いているんだ、というフロントからの意思だろうね。これは大きいよ。あのタレントを獲得してくれた。そして、味方になる。あの才能と対峙する必要はないんだ」と語っている。ワールドシリーズ制覇に向けてフロントが示した本気度によるチームの士気向上、そして、他球団のエースを引き抜くことによるライバル候補の弱体化という効果があるという。

 カーショーに次ぐ2番手として、エースの十字架から解放されることになった右腕は、これからどんなピッチングを見せてくれるのだろうか。