競技人口の減少に強い危機感 少年野球で進む改革

競技人口の減少に強い危機感 少年野球で進む改革

閉会式の後に行われた硬式野球の体験教室の様子【写真:広尾晃】

深刻な「野球離れ」に歯止め、小学生の硬式野球体験会

 今月14日、メットライフドームで行われたライオンズカップ第6回中学硬式野球選抜大会は、栃木さくらボーイズが優勝した。その閉会式の後、小学生に硬式野球を体験させるユニークな体験教室が行われた。

 小学校で軟式野球をしている子供たちに、硬式球での「投げる」「打つ」「捕る」を体験してもらうのが目的。指導はライオンズカップ優勝の栃木さくらボーイズと、準優勝の高崎ボーイズの選手たちが行った。

「野球離れ」が深刻になる中、小学校から中学、高校と野球を続ける子供が減っていることも問題視されている。小学生に硬球にふれてもらうことで、硬式野球に興味を持ってもらい、競技の継続率を高めることにつながれば、という意図がある。

 ティーバッティング、キャッチボール、ゴロ捕球の3つの体験を、3つのグループに分かれた子供たちが次々に体験していく。中学生の選手たちは後輩たちを優しく指導していた。

各リーグとも危機感をもって改革に着手

 この体験会は今年で2回目だが、昨年は中学生の選手から「小学生たちを教えることで、自分たちの野球を見つめなおすことができ、勉強になった」という声が上がった。

 1時間足らずの体験会だが、子どもたちは硬式球の野球体験に夢中になり、付き添いの父母もあこがれのメットライフドームで走り回る我が子の写真を撮っていた。

 少年硬式野球は、小中学校の軟式野球に比べれば競技人口の減少率は小さいとされるが、関係者の危機感は強い。高野連発表の男子硬式野球部員数が今年、減少に転じたこともあり、「何もしなければじり貧」という意識を持っている。ライオンズカップはヤングリーグ、ポニーリーグ、ボーイズリーグ、リトルシニアリーグが共同で運営している。各リーグの幹部に話を聞いたが、どのリーグも危機感をもって改革を進めている。

 ヤングリーグは野球だけでなく、挨拶やマナーなどもきっちり教えている。ポニーリーグはすべての子供たちに対して、その出場機会に気を配っている。関西発祥のボーイズリーグは関東でもチーム数が増えているが、今、指導者に最も厳しく言っているのは「暴力、暴言絶対禁止」。また、女子野球チームを作るなど、すそ野の拡大に尽力している。リトルシニアリーグも、普及活動に力を入れている。またルールを統一するなど、リーグ間の垣根を越えて少年野球を考えるべき時が来たと認識しているという。

 主催者の埼玉西武ライオンズ担当者は、「中学生の選手たちが、これをお手本にして、地元でも小学生に野球の手ほどきをするようになれば、すそ野は広がっていくだろう。ただ硬球は危険が伴うので、必ず大人が付き添ってほしい」と語る。こうした地道な取り組みが、野球のすそ野の拡大につながっていく。(広尾晃 / Koh Hiroo)

関連記事(外部サイト)