巨人、逆転CS進出への鍵は…「先発3本柱で常に2勝以上」と「坂本勇人」

巨人、逆転CS進出への鍵は…「先発3本柱で常に2勝以上」と「坂本勇人」

緒方耕一氏【写真:岩本健吾】

現在4位の巨人の逆転なるか、球団OBの味方は…

 セ・リーグは、連覇を目指す広島のマジックが再点灯。2位阪神とは9.5ゲーム差と独走を続けており、優勝へ突き進んでいる。一方で、クライマックスシリーズ(CS)進出争いは、まだまだ分からない。2位阪神と3位DeNAは1.5ゲーム差。4位巨人は3位DeNAに5ゲーム差と厳しい状況だが、逆転できない数字ではない。

 前半戦に球団ワースト記録を更新する13連敗を喫するなど、今季は序盤から乗り切れなかった巨人。球団OBの野球解説者、緒方耕一氏は「FAで入って出遅れてしまった選手が1人でも最初からいたら、展開が全く違ったのかなという思いはありますよね。最初から陽岱鋼がいたら、ここまで低迷したかと言えば……彼1人がいたら全然違ったと思います。シーズンには流れというのがあると思うので、違った流れになっていたのかなと思ってしまいますよね」と指摘する。

 負傷で出遅れた陽岱鋼は6月6日に1軍初昇格。その後、主に「1番・中堅」でスタメンを張っており、ここまで51試合出場で打率.314、22打点、8本塁打と成績を残している。巨人打線の活性化にもつながっており、確かに「はじめから陽がいれば……」と思わせる活躍ぶりだ。

 では、ここから逆転は可能なのか。緒方氏は「いい形になりつつあるけど、1人が欠けるとまたガラガラっと崩れていくので、まず誰も離脱しないことが大事」と分析する。

「打線のメンバーを見たら、すごいですよね。陽岱鋼、マギー、(坂本)勇人、(阿部)慎之介、(村田)修一、長野、亀井ときて、キャッチャーとピッチャーでしょ。すごいメンバーですから。力があるのはわかってるので、今の段階で0からスタートして『優勝候補はどこだ』となったら、またジャイアンツと挙げる人も少なくないと思います。ここからまた仕切り直しで『さぁ予想して』と言われたら、ゼロからだったら僕もまたジャイアンツを挙げると思います。それくらい充実してると思うんです」

マギー二塁起用は「現状のベスト」も「開幕時の監督の理想ではない」

 現状では、マギーと村田を併用するために、マギーを二塁で使うという形を取っている。攻撃面ではプラスになっているが、当然、守備面では不安もある。緒方氏は、「今の状態ではベストの布陣」と断言しつつ、“二塁手不在”の現状を嘆く。

「ただ、高橋監督が思い描いたスタート時の理想は、村田が去年3割も打ったのに宝の持ち腐れになるけど、あくまで開幕の時の理想は村田と亀井は代打の切り札、という形だったと思います。その選手たちがスタメンにいるというのは、本人たちの努力と実力ですけど、チームとしては理想とかけ離れているということで苦しさが表れてますよね。

 亀井も最初は代打というところだったと思うんですけど、今はフルに働いてもらわないと代わりがいないような状況ですから。ポジションを獲ったのは間違いなく本人たちの努力ですが、由伸監督の中ではある意味で誤算だと思います。マギーはトータルで見れば3割は打ってますし、二塁起用は今はベストで異論はないですけど、由伸監督の開幕の時の理想とは違うというところです。

 開幕してから、セカンドと2番バッターが出てこなかった。ジャイアンツでこれほどポジションが空いて『どうぞ取ってください』というのは歴史の中でもそうはなかったと思います。これまでは必ず誰かがポジションを取ったし、ものにしてきた。ただ、今回は層の薄さが露呈してしまったので、若手はもったいないと思うし、層が厚いと言われていたけど、実は厚くなかったと思い知らされたシーズンだと思いますよね。外野も橋本(到)であったり、立岡(宗一郎)であったり、重信(慎之介)、中井(大介)であったりとか。チャンスをものにできてないというところですよね」

 今季は、現状で「ベスト」の布陣でこのまま戦い、CS進出を目指してくことになるが、残り約30試合でポイントになるのはどこか。緒方氏はまず、安定感のある菅野智之、マイルズ・マイコラス、田口麗斗の先発3投手でしっかりと白星を掴んでいくことが大切だと言う。

チームで誰よりも代えが利かない坂本の存在

「まずは3本が1週間に1回ずつ投げて『全員が必ず勝て』とは言わないけど、3人で2勝をずっとやっていくということは大事ですよね。この3人が絶対に負けないのが理想ですけど、それは数字上はできない。ただ、1勝1敗1分では絶対に追いつけない。2勝か3勝でいってもらうしかない。

 独走を許さないために、広島戦にいいピッチャーを当てた方がいいと、ちょっと前までは言っていたんですけど、ここまで来ると正直、広島云々ではなくて違うところの取りこぼしもまずいので、広島中心にローテを組むことはできなくなってきた。ジャイアンツとしては、現実的にはDeNAと阪神に負けられくなってくる。実際にまだまだ行ける数字だと思いますし、現実的には追いつくことが出来る数字。そこにくっついていくことが大事です」

 また、打線では力強くチームを牽引するキャプテンの存在がより重要になってくるという。

「今、ジャイアンツで変わりがいないのは誰かというと、僕は勇人だと思うんです。ポジション的にも打撃的にも。勇人が離脱したらかなり厳しい。ショートというポジションで3番。打順で言えば、1番、5番、4番も考えられるセンスの持ち主です。打順とか役割を考えても、他のポジションは何とかやりくり出来るかもしれませんが、勇人の役割をみんな出来るかと言ったら出来ないし、間違いなくキーマンでしょうね。ずっとレギュラーとして1つのポジションを守ってきた選手がいなくなるのは、みんなの景色も変わるでしょうから」

 攻守両面で代えの利かない坂本の存在感は、シーズン終盤でさらに大きなものとなるはず。巨人はラストスパートをかけられるか。若手が伸び悩みを見せている今季、投打の中心の選手たちの意地に期待がかかる。(Full-Count編集部)

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