野球の競技者人口減少に危機感 現状打破へ、西武が実施したイベントとは?

野球の競技者人口減少に危機感 現状打破へ、西武が実施したイベントとは?

埼玉西武ライオンズは“子供たちに野球遊びのきっかけを与える”エンジョイベースボールシリーズを開催した【写真:(C)PLM】

子供たちに“野球をやるきっかけ作り”を

 今季はすでに全球団の本拠地での観客動員数が100万人をクリアするなど、右肩上がりで動員数が増えているプロ野球。各球団がそれぞれ趣向を凝らし、カラーの異なる女性向けイベントを行うことで多くの女性ファンがスタンドを埋めるなど、ひと昔前の“プロ野球=男性が見るもの”というイメージは時代の流れによって変化。今では様々な層のファンが球場に足を運び続けている。

 このように、観客動員数の増加や女性ファンが増えているという現状だけを見れば、プロ野球の将来は“安泰”という風にも思える。しかし、その一方で日本における野球の競技者人口は減少の一途をたどっている。このまま何も手を打たずに放置していくと、確実にプレイヤーが減り、その結果、日本のプロ野球のレベルは低下。野球という競技そのものの衰退につながっていきかねない状況である。

 そこで、埼玉西武ライオンズが8月15日(火)から17日(木)の3日間で“子供たちに野球遊びのきっかけを与える”エンジョイベースボールシリーズを開催。野球の競技者人口が減少しているという現状に歯止めをかけるべく、試合前後に子供たちが目いっぱい楽しめる野球遊びの場を提供した。

 イベント開催3日間の最終日となる17日の試合前、ドーム前ステージにて「野球崩壊 深刻化する『野球離れ』を食い止めろ!」の作者・広尾晃氏がトークショーを実施。野球の競技者人口が減っている点や、野球人気復活への取り組みについて、そして、「こういう活動は何球団かが行っているが、一回限りではなく、10年、20年という長い道のり、長い目で見て継続していく必要がある」というように継続することの重要性などについて、約10分間に渡って来場者に強く訴えかけた。

競技人口の増加へ、「普及活動として全国に広めていきたい」

 また、この日の小学生以下の来場者には、柔らかい素材で作られているゴムボールを入場時に配布。子供たちが笑顔で係員のもとへ駆け寄っていく姿が非常に印象的であった。

 試合後には、「AFTER THE GAME」として小学生以下を対象に、「ホームランティーバッティング体験」が行われた。グラウンドが開放されると、あっという間に小学生以下の子供たちが集まり、1塁側のフィールドビューシート前から左中間付近までの長蛇の列が出来上がった。この日は特別講師として、女子プロ野球チーム・埼玉アストライアの谷山莉奈投手と萱野未久投手が登場し、子供たちに熱心に指導。1時間以上に渡って、たくさんの子供たちがバットを振り続けた。

 この日のイベントを見届けた株式会社西武ライオンズ事業部次長・市川徹氏は「正直に言うと、まだまだスタート段階だと思っています。来場者にどれだけ危機感をもってもらえるか、メディアの方に現状に対する危機感をどれだけ持ってもらえるかというところを目的にやったのですが、やはりまだまだ。これからどんどんやっていかなければならないなと思いました」と継続することの重要性について口にした。

 さらに市川氏は、“野球をやるきっかけ作り”、“野球をやる場所の整備”、“支える人の育成”の3本の柱をしっかりと考えながら進めていく必要があるということを説明したうえで、「このような活動は埼玉県だけで盛り上がっていても仕方がないことだと思いますので、普及活動として全国に広めていきたいです」と今後の展望について語った。

 大きな問題として、少子化などの簡単には動かせない高いハードルが立ちはだかるが、野球ができる場所の確保などは、これからの動きによって改善される見込みは十分にある。今後、観客動員数の増加と比例するように、競技者人口の回復、増加へとつながるか。そのためには、このような活動が全国へ広まることが必要条件となる。

(記事提供:パ・リーグ インサイト)(「パ・リーグ インサイト」編集部)

(記事提供:パ・リーグ インサイト)

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