リトルシニアが女子全国大会を初開催、主催者手応え「本当にやって良かった」

リトルシニアが女子全国大会を初開催、主催者手応え「本当にやって良かった」

9日夜には交流食事会が行われた【写真:石川加奈子】

8月8、9日に札幌で開催、5チーム76選手が2試合ずつ戦う

 日本リトルシニア中学硬式野球協会が今夏、女子の全国大会を初開催した。東日本選抜野球大会と共催する形で実施された「プレ・ガールズ全国大会」には、女子中学生76人5チームが参加。8月8、9日の2日間、札幌円山球場と札幌麻生球場で男子顔負けの熱戦を繰り広げた。

 甲子園での女子野球共催の提言や女子野球の発展を願う桑田真澄氏の声が報じられたのは、8月7日だった。奇しくもその日、全国各地の女子中学生選手が続々と札幌入りした。

 北海道・東北・九州連盟の連合チーム「HTK15」、関東連盟の「LSレディース」と「NEWSガールズ」、信越・東海連盟の連合チーム「信越・東海girls」、関西連盟の「関西レディース」の5チーム、総勢76人だ。プレ大会の今年は順位を争わず、それぞれ2試合ずつ交流試合を行った。実力は伯仲し、結果は各々1勝1敗。どれも息詰まる熱戦だった。

「素晴らしいプレーがたくさんありました。女子だけでプレーすることが楽しくて仕方がないという感じで、それがいいプレーにつながったのだと思います。普段男子に混じってレベルの高い練習をしているので、上手ですし、本当に一生懸命。男子選手に見せたかったです」

 こう語るのは、この大会を企画した日本リトルシニア中学硬式野球協会北海道連盟の伊藤儀隆理事長だ。日頃から男子選手に混じって汗を流す女子選手に、新たな夢や目標を作ってあげたいという思いで大会を立ち上げた。

「小学生チームには女子は男子の中に普通にいますが、中学になるとなかなか試合に出られない。年1回でも女子の全国大会があれば、気持ちが前向きになるでしょう。上を目指して硬式をやりたいという子供たちのために、環境を整備することが大切。卒業した後も高校やクラブチームという風にうまくつながっていってほしいと願っています」

女子プロ野球の川端、岩谷、金が激励「ずっと野球を続けてね」

 少年野球ではエースで4番を務める女子選手も珍しくない。だが、中学に入ると、体格や体力差が顕著になると同時に、異性を意識するようになり、野球を続けるためのハードルが上がる。それでも将来の日本代表やプロを目指して、男子と切磋琢磨して技術を磨いている女子たちにとって、同世代の女子だけの大会は待ち焦がれた舞台だった。

 9日の夜には、札幌市内のホテルで「プレ・ガールズ全国大会食事会」が行われた。女子プロ野球「埼玉アストライア」に所属する川端友紀内野手、岩谷美里内野手、さらに日本代表で長らく活躍する金由起子内野手も参加し、トークショーや抽選会で盛り上がった。

 目を輝かせ、身を乗り出しながら、ゲスト3人の中学時代の苦労話や野球にかける思いを聞き入っていた選手たち。「この中で将来プロになりたい人!」と川端が問いかけると、そのほとんどが手を上げた。

 その様子に3人は心底うれしそう。「ずっと野球を続けてね」と選手たちに何度も呼びかけていた。予定されていた2時間半を過ぎても、3人に写真撮影やサインを求める列が途切れなかった。女子同士で試合をして、憧れの選手と交流。選手たちにとっては忘れられない2日間になったに違いない。

 その熱気は冷めれず、翌日10日は移動日にも関わらず「もっと試合をしたい」という選手たちの要望で、午前中に急遽1試合が追加されたほどだ。1、2年生は来夏の再会を口々に誓い合っていた。「成果はありました。本当にやって良かった」と伊藤理事長はうなずいた。

 桑田氏が提言した甲子園の男女共催。中学硬式でひと足先に始まった試みは、大成功だった。来年は、7月25日から札幌で行われる林和男旗杯国際野球大会に合わせて第1回ガールズ全国大会が開催される。(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)

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