「福岡発 売り子名鑑」15キロのタンクと格闘、とびきりスマイルの19歳

「福岡発 売り子名鑑」15キロのタンクと格闘、とびきりスマイルの19歳

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異彩を放つネーミング「まゆめろ」、その由来とは…

 球場の新たなエンターテインメントとなっている「売り子」。美女どころといわれる福岡のヤフオクドームで働くアサヒビール、キリンビールの両メーカーの売り子を不定期連載で紹介している「福岡発 売り子名鑑」の第26回をお届けする。これまでに紹介した売り子も含めてお気に入りの1人を見つけ、スタジアムでの楽しみの1つとなれば、幸いだ。

 26回目は、キリンビールの「まゆめろ」さん、だ。

 異彩を放つ、そのネーミング。「まゆめろ」。ファンからも度々その由来を問われるという。「中学生くらいから(サンリオのキャラクターの)マイメロディが好きで。昔から、SNSの名前とかも、『まゆ』と『マイメロ』をかけて『まゆめろ』にしていたんです。それが今もそのままになっています」という、大学で幼児保育について学ぶ19歳だ。

 中学、高校時代には年に数回はヤフオクドームに観戦に来ていた彼女。ただ「野球にはそれほど興味はなく、詳しくもなかった」という。試合中は、もっぱらスタンドを歩き回る売り子の姿を目で追いかけ「売り子さんって可愛いなと思って見ていました。すごく輝いて見えていました」と感じていた。

 この世界に挑戦したのは、昨季の9月になってから。大学入学後は別のアルバイトをしていたが、胸の中にある売り子への興味、関心が消えなかった。「やりたいなという興味はずっとありました。なぜかは分からないんですけど、大学に入って5か月くらい経って『やっぱりやりたい!』と思いが爆発した感じでした」。

 思い立って友達と始めた売り子の仕事。見えていた華やかさはどこへやら。「本当に興味だけでやったんですが、いざやってみるとキツくてキツくて」と体は悲鳴をあげた。「体力には自信があったんですけど、ビックリするほどキツかったです」。始めてからしばらくは連日、筋肉痛に苦しめられた。

15キロのタンクの重さに堪えきれず、転倒したことも

 細身で小柄な体が、約15キロのタンクの重さに堪えきれず、タンクごと転倒したことが何度もある。「ビールを注ぐ時にその場に座りますよね。そこから立ち上がろうとした時に、そのままコケたこともあります。タンクに潰されるように前方に転んだことも、後ろにひっくり返ったこともあります」。体にアザが出来ることもあった。

 それでも、辞めなかった。「絶対に負けず嫌いなんですよ。自分にも負けたくないし、周りの人にも負けたくない。タンクの重さにも負けたくないんです」。負けん気の強さで15キロのタンクと格闘を続けた。2年目に入ると、ようやく余裕も出てきた。

「最初の頃はキツすぎて、お客様と会話をする余裕もなかったですけど、今では慣れてきましたし、キツさもなくなってきました」

 それほどまでに厳しい売り子の仕事の中にある、やり甲斐はどこにあるのか? 

「お客様と話すことは楽しいですし、1人1人と一言でも言葉を交わせるようにやっています。『待ってたよ』と言ってもらえたり、わざわざ私を呼んでくれたり、そういう瞬間は嬉しいですね」。ファンとの触れ合いが、力の源になるのだという。

 弾けるような、とびきりのスマイルが印象的な「まゆめろ」さん。「笑顔でいることを心がけていますし、笑顔がいいねと言っていただいたこともあります。それは本当に嬉しいですね」。一塁側内野で主に働く彼女の目印は手首に巻いた赤いシュシュと、特徴的なネーミング。

「何か一言声をかけていただけるだけで、嬉しいですね。それが私のエネルギーになりますので、ぜひ声をかけてみてください」 (福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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