自己最多13勝目のホークス千賀、7回2死満塁で頭をよぎった1年前の光景

自己最多13勝目のホークス千賀、7回2死満塁で頭をよぎった1年前の光景

ソフトバンク・千賀滉大【写真:藤浦一都】

1点リードの7回2死満塁を空振り三振も「納得できるピッチングじゃない」

 笑顔はなかった。自身のキャリアハイとなる13勝目をマークしても、ソフトバンク千賀滉大投手の表情は浮かなかった。9日のロッテ戦(ZOZOマリン)。7回6安打1失点の好投で、チームを勝利に導いても、千賀の口からは反省が並んだ。

「今日はフォークが良くなかったですね。なんとか粘れたかなと思います。今日は何とかという感じでした」

 初回、いきなり先頭の加藤に中前安打を許したが、続く荻野貴を遊ゴロ併殺に。2点リードの5回には先頭の角中に右中間を破られる二塁打を浴び、2死から田村に適時打を許し、1点差と迫られた。7回には2死満塁とされるも、加藤を空振り三振に切って、何とか窮地を脱した。

「納得できるピッチングじゃない。チームが勝ったのが1番ですけど…。次、その次に向けていい準備ができるように取り組めれば、と思います」。昨季を上回る13勝目となったが、この日のピッチングには満足できなかった。

 その千賀。試合中に、あることが頭をよぎったという。

「去年と同じようなシチュエーションで、ここで四球を出すんちゃうかなと思いましたけどね」

昨季最終登板、同じロッテ戦で迎えた8回2死満塁には粘りきれず

 昨季の最終登板となった9月27日、この日と同じ千葉でのロッテ戦。先発のマウンドに上がった千賀は、7回まで無失点の好投を見せていた。だが、2点リードの8回に2死一、二塁のピンチを招くと、井口に四球を与えて満塁に。さらに岡田、清田に連続押し出し四球を与えて同点とされ、ここでマウンドを降りた。

 この時まで12勝をマークしていたが、目の前にあった勝利を逃し、13勝以上が条件の最高勝率のタイトルも逃していた。その時と同じ、千葉で迎えた2死満塁のピンチだったが、今度はキッチリと抑え、昨季は掴めなかった13個目の白星を掴んだ。昨季とは違う投球に「あそこで四球を出したら、去年と同じ。悪いなりに抑えられたのは良かった」と語った。
 
「良くはなかったけど、要所を抑えてくれた」と言う工藤公康監督も「球速を出そうとしたところで出せるようになって、メリハリがつけられるようになってきている」と、昨季からの成長を認めた。

「真っ直ぐと曲がり球でいけて、そこは良かったかな、と。真っ直ぐはしっかり投げられましたし、これでフォークがついてこれば」と言う千賀。悪いなりにも、大崩れすることなく、抑える術を身につけた。ソフトバンクのエースとしての道を、一歩ずつ進んでいるといえるだろう。(藤浦一都 / Kazuto Fujiura)

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