【田澤純一コラム第4回】前半戦と後半戦の変化、大砲スタントンの意外な素顔

【田澤純一コラム第4回】前半戦と後半戦の変化、大砲スタントンの意外な素顔

マーリンズ・田澤純一【写真:Getty Images】

本塁打量産のスタントン「柵越えギリギリという打球は1つもない」

 マーリンズ救援陣の一角として勝利に貢献している田澤純一投手。前半戦は投球に悩み、肋軟骨を痛めて故障者リスト(DL)入りしたが、後半戦はここまで23試合に投げて2勝3敗、7ホールドを記録。ナショナルズが独走するナ・リーグ東地区で2位につけるチームで奮闘する。DLから復帰後は、失点しても「前とは考えるポイントが変わってきた」という。果たして、右腕の中にどんな変化が生まれたのか。また、史上9人目のシーズン60本塁打が期待される主砲スタントン、来季から変わる球団オーナーについてなど、第4回連載コラムで余すところなくリポートしてくれた。

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 マーリンズの田澤純一です。メジャーでは9月に入るとロースター枠が拡大されるので、チームも少し賑やかになりました。後半戦は連敗が少なく、8月下旬には一時貯金が3まで増えたことも、チームの雰囲気に影響しているのかもしれません。また少し負けが込んで勝率5割を切っていますが、チームのムードは明るいままです。

 今、マーリンズで旬と言えば、何と言ってもスタントンですね! 今年のスプリングトレーニングで最初に対戦した時、ホームラン性の打球を飛ばされました。その時もチームメイトでよかったと思いましたが、ホント、チームメイトでよかったです(笑)。柵越えギリギリという打球は1つもない。全部文句なしの大きな当たり。どの球場で打っても間違いなくホームランです。やっぱりスター選手にスイッチが入ると、チーム全体が盛り上がります。

 スタントンは身体も大きいし、ド派手な打球を飛ばすので、一見すると「俺が俺が」と前に出るタイプに思われがちですが、実は性格は全然派手じゃないんです。クラブハウスでも大騒ぎする姿は見たことないですね。どちらかというと、一歩引いたところから、周り全体を冷静に見ている感じ。打撃の調子がいい時も悪い時も、それは変わりません。静かに闘志を燃やすタイプ。僕もチームメイトになって初めて知り、少し意外な感じがしました。60本超えが話題になっているようですが、どんどん打ってほしいです。レッドソックスで一緒だったデービッド・オルティスもそうでしたが、ホームラン一発で流れを変えられる人は、そうそういません。こうやって、いろいろな選手と野球ができるのは、本当に幸せなことです。

オーナーが変わっても、選手のやることは変わらない

 世の中では、マーリンズのオーナーが変わることも話題になっているみたいですね。あのジーターが新オーナーという話ですが、正直なところ、選手間ではまったく話題になっていません。チームから正式に何か聞いたわけでもないですし、オーナーが変わると言われても、いまいちピンとこない感じで…。オーナーが変わっても、僕たち選手のやることは変わらないですからね。毎日試合に勝てるように準備を整え、試合で全力を尽くすだけ。オーナーが正式に変わって、直接挨拶したら実感が沸くのかもしれませんね。

 僕自身は、抑える時もあれば打たれる時もあり、毎日が試行錯誤の連続です。とは言うものの、DL入り前とは少し違ったポイントで考えさせられるようになりました。今季前半は自分自身の状態が上がらず、配球よりも投げる球自体に頭を悩ませることが多かった。でも、DLを明けてからは状態はいいですし、球の質も決して悪くないと思います。今、課題としているのは、先頭打者を出塁させないことと、打者有利のカウントにしないこと。さらに、先頭打者を出した後、打者有利のカウントにした後の粘りです。

 自分が失点した試合を振り返ると、ノーアウトでランナーを背負うことが圧倒的に多い。打たれた場面を振り返ってみても、打者有利のカウントにしてしまい、狙われて打たれることが多いんです。同じ球を投げるにしても、前の1球をもう少し内側に投げておけばよかったんじゃないか、とか、2球前をスライダーにしておけば違う印象づけをできたんじゃないか、とか、前半とは反省する内容が変わっています。変わらないのは、失点したままでは終わらせず、しっかり反省して、次につながるヒントを見つける作業。これは現役選手でいる間は、何度も繰り返すルーティンですね。

 レギュラーシーズンは残り1か月を切りました。例年試行錯誤の日々を送ることは変わりませんが、今年はいつも以上に考えさせられることが多いシーズンです。それも、さらに投手としてステップアップするためには必要なこと。最後までチームが1勝でも伸ばせるように貢献し、そして自分にとっても来年以降につながる手応えをつかめるように頑張ります。(マイアミ・マーリンズ 田澤純一 / Junichi Tazawa)

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