森、坂田、呉…悔しさを糧に、シーズン終盤に気を吐く西武“左の若獅子”

森、坂田、呉…悔しさを糧に、シーズン終盤に気を吐く西武“左の若獅子”

西武・森友哉【写真:編集部】

2位争いを繰り広げる西武、森は復帰後22試合で打率.362と絶好調

 シーズン終盤戦、リーグ2位争いを何としてもものにしたい現在2位の埼玉西武。春から戦い抜いている主力選手に疲労が目立ち始める中、ファームから昇格した3人の左打者がそれぞれ存在感を見せつけている。ここでは、終盤戦のキーマンとなる可能性を秘めた3選手を取り上げていきたい。

 1人目は、怪我からの復帰を果たした森だ。昨季は107試合に出場し、打率.292、10本塁打という好成績を残した森は、今季も主力としての活躍が期待されていた。しかし、開幕前に左肘を骨折。長期離脱を余儀なくされ、「思い通りにできない日が続いて、(気持ちの)浮き沈みが激しい時期が長かった」と語るほど、もどかしい日々を過ごした。

 しかし、8月8日にファームで約5か月ぶりとなる実戦復帰を果たすと、復帰2戦目で豪快なアーチを描く。3戦目でも快音を響かせ、即1軍昇格を決めた。スタメンで出場した8月15日の楽天戦では、ファンの大歓声に迎えられて向かった第1打席、「初球はフルスイングすると決めていた」との言葉通りに初球を振り抜く。打球は鋭く二遊間を破り、復帰を待ちわびたファンの期待に最高の形で応えた。

 翌日の試合では早くも今季第1号となる本塁打を放つなど、ブランクを感じさせない状態の良さを見せつける。以降も活躍を続け、9月9日時点で22試合69打数25安打、打率.362と好調を維持。帰ってきた小さな好打者の活躍から、これからも目が離せない。

 2人目は、覚醒が待たれる「アニキ」こと坂田だ。この愛称は栗山が「お兄ちゃんぽいから」との理由で命名したものであり、実は「左のおかわりくん」の異名以上にチームに浸透している。昨季はオープン戦の絶好調を買われて見事に開幕スタメンを勝ち取ったものの、公式戦の舞台では大きく調子を崩し、5月以降はファームを主戦場とした。

坂田は名実ともに「アニキ」に

 今季は開幕から怪我で出遅れたが、ファームでは72試合に出場し、打率.339と圧巻の成績を残す。長打率こそ昨季には及ばないものの、地道に安打を重ね、1軍の舞台に戻るために結果を残し続ける坂田は、ファームの若手選手をけん引する存在として、名実ともに「アニキ」となっていった。

 そして、8月23日に念願の1軍昇格を果たすと、以降は主に代打として7試合に出場して打率.500。9月3日のオリックス戦では、5点を追う7回表、1号3ランを放って1点差に迫るなど、持ち前の勝負強さを発揮した。これまではやや点差の開いたビハインドの場面での代打出場が多かったが、そこで確実に結果を残していけばチャンスは巡ってくるだろう。痺れるような場面で「アニキ」の名前が呼ばれる日を、心待ちにしたい。

 3人目は、ドラフト7位で昨季から埼玉西武の一員となった呉だ。昨季終盤から遊撃手としてレギュラーに定着し、43試合に出場。長きに渡るチームの「正遊撃手不在問題」に終止符を打ったかのように見えたが、今季は源田の加入によって状況が一変。出場機会を求めた呉は、ファームで外野手、三塁手など、様々なポジションに挑戦した。課題の打撃はファームで8月月間打率.305を記録し、改善の糸口が見え始めている。

 そして8月25日に1軍昇格を果たすと、主砲・中村の不在の間は、主に三塁手としてスタメン出場した。打撃でも9月9日時点で31打席に立ちながら、三振はわずかに3つ。昨年に引き続き、2年目の選手とは思えない冷静な選球眼を見せている。打席に向かう際に、ファンによって行われる「ウーイング」でもお馴染み。貴重なユーティリティープレイヤーとして腕を磨き、貪欲に出場機会を求めたい。

 今季、球団記録に並ぶ13連勝を決め、大きな話題を呼んだ埼玉西武だが、この3選手は共通してこの連勝の輪に加わることができなかった。それだけに、チームの1勝に貢献したいという気持ちは強い。森も「数字よりも、チームの勝利に貢献したい」と力強く語る。1勝の重みが今まで以上に重くのしかかってくるシーズン終盤戦。まだまだ暴れ足りない獅子達の奮起に、期待しないわけにはいかない。(「パ・リーグ インサイト」編集部)

(記事提供:パ・リーグ インサイト)

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