今季は4人が到達した通算1000安打、達成率4.5%の狭き門をくぐる意味

今季は4人が到達した通算1000安打、達成率4.5%の狭き門をくぐる意味

中日・大島洋平【写真:荒川祐史】

打者が目指すマイルストーンの1つ、通算1000本安打

 9月8日、阪神の鳥谷敬は史上50人目の2000本安打を記録した。野球は「数字のスポーツ」だ。打者にも投手にも「マイルストーン(里程標)」と言われる数字の節目がある。2000本安打ほど注目されないが、1000本安打も重要なマイルストーンの1つだ。

 今シーズン開幕時点で、1000本安打は285人が達成。今季は13人が1000本安打に到達する可能性があった。その14選手と今季の結果を見てみよう。名前に続く数字は、開幕時点での1000本安打までの残り本数―今季の安打数、〇1000本安打達成日、達成順となっている。

梵英心(広)10安打-0安打
田中浩康(De)22安打-31安〇7/8達成 287人目
石原慶幸(広)36安打-30安打
大島洋平(中)42安打-149安打〇4/30達成 286人目
陽岱鋼(巨)58安打-74安打〇8/16達成 288人目
石川雄洋(De)76安打-41安打
川端慎吾(ヤ)78安打-0安打
畠山和洋(ヤ)107安打-11安打
大引啓次(ヤ)125安打-61安打
中田翔(日)134安打-83安打
秋山翔吾(西)154安打-164安打〇8/31達成 289人目
藤田一也(楽)154安打-49安打
浅村栄斗(西)164安打-153安打
渡辺直人(西)184安打ー16安打

 開幕時点で1000本に最も近かったのは、広島の梵だったが、今季は一度も1軍出場がなく、カウントダウンが進んでいない。

今季は大島、田中、陽、秋山の4人が達成

 今季、最初に1000本のテープを切ったのは、残り42安打で開幕を迎えた中日の大島。4月30日に阪神の能見からレフト前ヒットを放ち、早々に達成した。これに続いたのが、DeNAの田中浩康だった。昨季までヤクルトでプレーした田中は、山田哲人の成長に伴いポジションを追われ、昨年オフに戦力外通告を受けた。自由契約となった後、DeNAと契約を結んで1000本安打達成。ここまでの道のりを考えると、感慨深いものがあっただろう。

 今季3人目の達成となったのは、昨オフ巨人にFA移籍した陽岱鋼。8月の達成は、当初の予想よりもかなり遅い。コンディション不良のためキャンプから出遅れたためだが、1軍に合流してからリードオフマンとして安打を量産している。

 そして8月31日には、開幕時に残り154安打もあった秋山翔吾が、上にいる選手をごぼう抜きにして、史上289人目の1000本安打を達成した。まさに脂の乗り切った28歳。初の首位打者を目指し、現在も安打を量産中だ。

 西武では、秋山よりも2歳若い26歳の浅村も、節目にあと11本と迫っている。残り6本の広島のベテラン捕手・石原は38歳。今季は曾澤と併用されているが、どちらが早く大台に到達するか。

 今季中の達成が確実と見られた日本ハムの中田翔は、スランプの年を迎え、規定打席以上のパ・リーグ打者の中では最下位の打率.204。今季中の達成は難しそうだ。ここまでのスランプは、本人にも予想外の結果ではないだろうか。

 ヤクルトは3人達成の可能性があったが、2015年首位打者の川端は椎間板ヘルニアの手術を受けて今季全休。畠山も開幕直後の4月18日に負傷して以来1軍には登録されていない。大引も毎日出場するわけではなく、1000安打到達は難しそうだ。

 これまで6400人以上が1軍の試合に出場したNPBだが、1000本に達したのは秋山翔吾でようやく289人。達成率はわずか4.5%という狭き門だ。中には、998安打で涙を呑んだ元広島の興津立雄のような例もある。打者にとっては。どうしても到達したい大きな目標と言えるだろう。

 今季はあと何人が1000本をクリアするだろうか?(広尾晃 / Koh Hiroo)

関連記事(外部サイト)