際立つ広島の成果 06年以降のドラフト指名選手、セ6球団の“当たり年は?

2017年ドラフト会議で早稲田実業の清宮幸太郎に注目 DeNAのドラフト成果には高評価

記事まとめ

  • ドラフト会議で一番注目されているのは、競合が確実視されている早実の清宮幸太郎だ
  • 近年ドラフト戦略が成功している球団は、セ・リーグでは横浜DeNAベイスターズだという
  • DeNAは2011年のドラフト4位桑原将志など、下位指名でも1軍戦力となる選手が多いという

際立つ広島の成果 06年以降のドラフト指名選手、セ6球団の“当たり年は?

際立つ広島の成果 06年以降のドラフト指名選手、セ6球団の“当たり年は?

広島・會澤翼【写真:荒川祐史】

各球団のドラフト戦略は成功しているのか

 10月26日、プロ野球の一大イベントであるドラフト会議が行われる。最大の注目は、競合が確実と言われている早実の清宮幸太郎内野手が、一体どこの球団に行くのか。また、履正社の安田尚憲内野手や広陵・中村奨成捕手、青藍泰斗の石川翔投手、立命館大の東克樹投手、JR東日本の田嶋大樹投手、ヤマハの鈴木博志投手と評価の高かった選手たちが、それぞれどこの球団に指名されるのか、注目ポイントは尽きない。

 例年、数多くの選手がドラフトで指名され、プロの門を叩くのだが、果たして、各球団の過去のドラフト指名選手で、どれだけチームの主力、1軍クラスとして活躍しているだろうか。2006年以降の各球団ドラフト指名選手で1軍での実績がある選手を挙げ、各球団のドラフト戦略が成功しているかどうかを分析し、また、各球団での“当たり年”を探ってみたい。

 今回はセ・リーグ編だ。

◯広島
2006 高1前田健太(ドジャース) 3會澤翼
2007 高1安部友裕 3丸佳浩 大社3小窪哲也 4松山竜平
2008 1岩本貴裕 2中田廉
2009 1今村猛 2堂林翔太
2010 1福井優也 2中村恭平 6中崎翔太
2011 1野村祐輔 2菊池涼介
2012 2鈴木誠也
2013 1大瀬良大地 2九里亜蓮 3田中広輔
2014 1野間峻祥 2薮田和樹
2015 1岡田明丈 5西川龍馬
2016 1加藤拓也

 セ・リーグを連覇した広島だが、過去のドラフト指名選手を見ると、これまでのドラフトできっちりと戦力を積み重ねてきたことがよく分かる。毎年1、2人の選手が1軍の戦力になっている。2007年は高校生ドラフト、社会人ドラフトともに今季の戦力の中心となった選手が加わっている。2013年の3人は三者三様でチームの戦力となっており、ドラフトとしては当たり年ではないだろうか。
 
◯阪神
2008 3上本博紀
2009 4秋山拓巳 5俊介
2010 3中谷将大
2012 1藤浪晋太郎 2北條史也 5金田和之(オリックス)
2013 1岩貞祐太 4梅野隆太郎 6岩崎優
2014 2石崎剛
2015 1高山俊 5青柳晃洋
2016 1大山悠輔 2小野泰己

 ザッと見ただけで分かるが、他球団に比べると、1軍の戦力となっている選手は少ない。2012年以降は毎年、1軍戦力は輩出しているものの、明らかに物足りないと言わざるを得ない。2012年、2013年は複数が1軍メンバーになっているが、全体的に見ると、ドラフト戦略が成功しているとは言い難いのではないだろうか。

DeNAはここ5年で最も成功している球団? 一方、巨人は…

◯DeNA
2006 3梶谷隆幸
2007 高1田中健二朗 大社3桑原謙太朗(阪神)
2009 1筒香嘉智 2加賀繁
2010 1須田幸太 3荒波翔 6福山博之(楽天)
2011 4桑原将志 5乙坂智
2012 1白崎浩之 2三嶋一輝 3井納翔一 6宮崎敏郎
2013 3嶺井博希 4三上朋也 育1砂田毅樹
2014 1山崎康晃 2石田健大 3倉本寿彦
2015 1今永昇太 3柴田竜拓 4戸柱恭孝
2016 1濱口遥大 5細川成也

 近年のドラフトでの成果が際立っている。今季1番に定着した桑原は2011年のドラフト4位、首位打者を獲得した宮崎は2012年のドラフト6位だ。下位指名でも1軍の戦力となっている選手が多く、2014年の山崎から、今永、濱口とドラフト1位がルーキーイヤーからきっちりとチームの主力を担っている。ここ5年で、最もセ・リーグでドラフトに成功しているのは、DeNAといって良さそうだ。

◯巨人
2006 高1坂本勇人 大社希 金刃憲人(楽天) 6寺内崇幸
2007 高1藤村大介 3中井大介
2008 1大田泰示(日本ハム) 4橋本到
2009 1長野久義 4市川友也(日本ハム)
2010 1澤村拓一 2宮國椋丞
2011 3一岡竜司(広島) 7田原誠次
2012 1菅野智之
2013 1小林誠司 3田口麗斗
2014 2戸根千明 3高木勇人
2015 2重信慎之介 4宇佐見真吾 5山本泰寛
2016 2畠世周

 球界の盟主の巨人だが、ドラフトの成果で言えばパッとしない。2006年の坂本、2009年の長野、2012年の菅野、2013年の小林、田口とチームの中核を担う選手が出てきているものの、それ以外に台頭してきた選手は数少ない。ここ10年で“当たり年”と言えるドラフトは見当たらず、強いて言えば2013年といったところか。

今季の下位2チームのドラフト成果は…

◯中日
2006 高1堂上直倫 3福田永将 大社3浅尾拓也
2009 1岡田俊哉 4松井佑介 5大島洋平 7松井雅人
2010 1大野雄大
2011 1高橋周平 3田島慎二
2012 1福谷浩司 4杉山翔大
2013 1鈴木翔太 2又吉克樹 5祖父江大輔
2015 1小笠原慎之介
2016 2京田陽太

 阪神同様に、ドラフトで獲得し、台頭してきた選手は数少ない。1人も1軍の戦力となれなかった年、現状で戦力になれていない年も多い。過去10年で成功したと言える年は、強いて挙げれば、5位で大島を獲得した2009年だろうか。そんな中で、ドラフト2位で獲得した2016年の京田は今季の新人王候補に挙がる活躍を見せ、近年では最も成果のあった指名だったのではないか。

◯ヤクルト
2007 高1由規
2008 3中村悠平
2010 1山田哲人 5久古健太郎
2011 3比屋根渉
2012 1石山泰稚 2小川泰弘
2013 2西浦直享 3秋吉亮 6藤井亮太
2015 1原樹里
2016 2星知弥
 
 もしかすると、阪神、中日以上にドラフトでの成果が乏しいかもしれない。2010年の1位・山田は球界を代表する打者に成長(今季は不振だったが…)。2012年の小川もチームのエースとなったが、とにかく1軍の戦力となった選手の数が少なすぎる。低迷の要因は、ここにもあるのかもしれない。(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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