育ての親と共に 中日・松坂大輔が横浜高校時代を語り合う

育ての親と共に 中日・松坂大輔が横浜高校時代を語り合う

小倉清一郎氏(左)と松坂大輔(C)日刊ゲンダイ

中日・松坂大輔投手(37)と横浜高の元野球部長で恩師・小倉清一郎氏(73)が、高校時代のエピソードを語る。

■「小倉さんほどイヤらしいノックをする人はいない」

小倉 昨年、大輔がソフトバンクを辞めた時、オレはマイナー契約でもやると思っていた。もともと野球が好きな男。高校の時は練習が全部終わった後に1時間くらい鳥カゴで打ち続けたりね。

松坂 今は時間がある時に室内で打っています。タイミングの取り方を忘れちゃっているんで(笑い)。

小倉 (1998年・夏の)甲子園でホームランを打った。杉内(鹿児島実=巨人)からね。変化球を打つのがうまかったよな。大輔は相手の決め球を狙うんだよ。

松坂 その方が投手にダメージが残ります。

小倉 大輔が中学生(東京・江戸川南シニア)の時、30校、40校がスカウトに来ている中で、一番熱心に通ってね。横(浜)高でオレが育てたという自負がある。練習は誰よりも過酷なメニューをやらせたな。実はやらせているオレが、かわいそうだと思っていたんだよ。悪いことをしたなと。当時、大輔は「この鬼! 何でボクだけやるんですか」って、アメリカンノックをね。50本捕り切りとか、延々と4時間も2人でノックしたよな。普通はできないよ。覚えてる?

松坂 もちろんですよ。ボクはボクで意地になっていました。とことん付き合うというか、「もういいよ」と言われたくないというか。「50本」と言われたら、50本絶対捕ってやるって。プロに入って思いましたね。小倉さんほどノックがうまい人はいないと。小倉さんのノックはめちゃくちゃイヤらしい。捕れるか捕れないかってところばかりに打つんです。

■「プロに入ったら投球だけに専念できるよう」

小倉 オレの指導者人生でこれほどいじめた選手はいませんよ。投手は基本的に大輔ひとり。メンバーは揃っていたし、全国制覇をするために甲子園で連投させないといけないんだから。

松坂 ボクもそのつもりでした。夏は予選から甲子園まですぐだし、投手が2枚3枚と必要になると言われますけど、最終的には自分が最後まで投げないと優勝はないと思っていました。普段の練習から、甲子園で連投することしか考えていませんでした。これくらいやらないと甲子園で勝てないんだって思っていました。

小倉 凄いね。プロに入ったら投球だけに専念できるよう、フィールディング、牽制、クイックなどは徹底的に仕込んだんだ。

松坂 高校の時、いつも言われてました。後輩の涌井(ロッテ)とかも、そうだと思います。牽制やフィールディングとか、プロの世界でやっていく上でこれが一番助かったことです。プロに入って他の選手を見て思ったことですけど、投げる球はいいのに、フィールディングがダメとか、牽制ができない投手がたくさんいます。ボクは投げることだけを考えればよかった。本当に助かりました。

(構成・増田和史/日刊ゲンダイ)

関連記事(外部サイト)