虎最下位で金本監督に非難集中…無責任フロントにも疑問の声

虎最下位で金本監督に非難集中…無責任フロントにも疑問の声

金本監督を呼んだのは…(C)日刊ゲンダイ

現場だけの責任ではない。

 17年ぶりの最下位が決まった阪神。昨オフ、新たに3年契約を結んだ金本知憲監督(50)の続投は決まっているそうだが、巨人の高橋由伸監督(43)は3年連続V逸の責任を取り、今季限りで辞任することから、来季も指揮を執る金本監督への批判の声は日増しに高まっている。「しかし……」と、プロ野球ファンの菅野宏三氏(ビジネス評論家)はこう語る。

「成績が全ての世界ですから、現場のトップが糾弾されるのは仕方ない。ですが、管理部門であるフロントにも大きな責任がある。そもそも指導者経験がない金本氏を監督に呼んだのはフロントです。得点力アップが期待された助っ人大砲(ロサリオ)の獲得も大失敗でした。金本監督だけが非難の嵐にさらされているのはおかしいですよ」

 おかしいといえば、連日報じられている阪神の人事異動に関する報道もファンを驚かせている。

 育成を重視する金本監督の意向でフロントは昨年、掛布二軍監督をクビにして、オーナー付シニア・エグゼクティブ・アドバイザー(SEA)という肩書をつけた。にもかかわらず、掛布氏の後釜に据えた矢野燿大作戦兼バッテリーコーチ(49)を、たった1年で一軍のヘッド格として再入閣させる方針だという。

 さらに、貧打の責任を負うべき片岡篤史一軍打撃コーチ(49)を二軍監督に配置転換するプランがあるというから、「フロントは監督やコーチの仕事をどう考えているのか!」とOBが声を荒らげるのももっともだ。このOBが続ける。

「助っ人のロサリオ、ナバーロは戦力にならず、打線は福留(41)、糸井(37)といったベテラン頼み。しかも、年が年だけに気を使い、休ませながら起用している。この3年間は打順を固定できず、40歳前後のベテランが今も中軸を打っている。救援陣も球児(38)、能見(39)は40歳に手が届く高齢者。実際、糸井と球児は故障で戦列を離れている。主力がフル稼働できない年齢のチームなんて阪神ぐらいだろ。年齢構成のバランスなんてまったく考えていないのではないか」

■背広組の失態をあげればキリなし

 巨人は今季、高卒4年目の岡本が開花。この日も2打席連続アーチを放ち、打率.309(9日現在リーグ11位)、33本塁打(6位)、100打点(2位)は、1年目の4番としては立派だ。

 一方の阪神は、昨年チーム最多の20本塁打をマークした高卒8年目の中谷がサッパリ(75試合=打率.228、4本塁打、24打点)。

「巨人の岡本はフロントの方針に従って高橋監督が我慢して使い続けたし、コーチの指導も良かったのでしょう。阪神はこの3年間、指導経験がない金本監督に育成に関しても全権を託していた。今になって、それが間違いだったと気がついても後の祭りだが、昔から阪神フロントの辞書には『責を負う』という言葉はない」(前出のOB)

 背広組の失態を挙げればキリがない阪神にとって、この一件も今季の大きな汚点だろう。

 3月に西武にトレードした8年目左腕の榎田(32)が、新天地で優勝に大きく貢献。プロ初の2ケタ勝利を挙げた9月19日は、くしくも阪神がヤクルトに負けて今季優勝の可能性が完全消滅した日でもあった。

 榎田は朝日新聞への優勝手記で、「ライオンズに来てみると全然違う。阪神の場合は練習の時から見られている雰囲気があり、全体練習でもウオーミングアップの時から、しっかりと隊列を作って、規律正しくやることがほとんどだったので……」と言った。

 今の若者は上下関係が緩く、ほとんどが「のびのび野球」で育っている。

「プロは大人で野球は仕事でしょ。弱いのに昔の高校野球みたいに規律だけは厳しい阪神は、アマのドラフト候補に嫌われている」(在京大学関係者)との声も聞く。

 平成元年の阪神は優勝した巨人に30.5ゲームの大差をつけられ5位に終わり、平成最後は最下位で幕を閉じる。この間、優勝はたったの2回で日本一はなし。フロント幹部がけじめをつけて職を辞したという話は聞いたことがない。

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