カナダ公式戦再開でブルージェイズとMLBは一層のコロナ対策が必要だ(鈴村裕輔)

カナダ公式戦再開でブルージェイズとMLBは一層のコロナ対策が必要だ(鈴村裕輔)

ブルージェイズの本拠地ロジャースセンター(C)ロイター/USA TODAY Sports

【メジャーリーグ通信】

 ブルージェイズがカナダに戻る。

 カナダが新型コロナウイルス感染症対策として入国制限を行っていたため、2019年9月29日のレイズとの試合を最後にロジャースセンターでの公式戦を行えないままであったブルージェイズが、現地時間7月30日のロイヤルズ戦から本拠地を使用する予定だ。

 現在AAA級バファロー・バイソンズのセーレンフィールドを利用しているブルージェイズにとっては1年10カ月ぶりの本拠地への帰還となる。

 直近では4月16日に1日当たり9332人の感染者を記録したカナダも、その後の対策とワクチン接種の進展により、7月15日以降、7日間の平均感染者数はおおむね300人台で推移している。

 7月19日にはカナダ政府が米国との国境の通行制限について、新型コロナウイルスワクチン接種を完了した人に限り8月9日から解除すると発表するなど、8891キロにわたる国境を接する米加両国の往来もようやく解禁される見通しが立った。今回のロジャースセンターの利用再開もこうした一連の規制緩和策の一環となる。

 これに対し、米国内ではトランプ政権が進めた「ワープ・スピード作戦」によってワクチンの早期実用化が実現。今年1月に発足したバイデン政権も「ワープ・スピード作戦」の恩恵を受ける形でワクチン接種を加速させ、1月9日の約25万人を最後に感染者数は減少している。

 だが、6月に入ると1日当たりの接種者数の鈍化が起き、大統領のバイデンが掲げ、当初は達成可能と思われていた「7月4日の独立記念日までの18歳以上の7割が1回目のワクチン接種を完了する」という目標も未達成に終わった。

 大リーグの各球場では現在、マスクを外して観戦する観客が多く、選手の間でも新規感染者が絶えない。最近では7月15日にヤンキース内での感染者の発生によりレッドソックスとの試合が延期されている。

 こうした状況では、ロジャースセンターに復帰したとしてもブルージェイズが感染症対策の手を緩めることはできない。むしろ、カナダ国内で公式戦が再開する機会を捉えてこれまでに劣らない対応がなされなければ、ブルージェイズはセーレンフィールドに逆戻りとなりかねない。ブルージェイズと大リーグ機構(MLB)の感染症対策の取り組みはますます重要となるのである。

(鈴村裕輔/野球文化学会会長・名城大准教授)

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