ドラフト前日に50人超が法大・山下“駆け込み視察” 直前にプロが上位候補の評価を上げるドタバタ

ドラフト前日に50人超が法大・山下“駆け込み視察” 直前にプロが上位候補の評価を上げるドタバタ

2020年のドラフトでは早大の早川に4球団が競合し、楽天が交渉権を獲得した(C)日刊ゲンダイ

 ドラフト会議を翌日に控えた10日、神宮球場のネット裏には、少なく見積もっても50人を超すスカウトの姿があった。

 ドラフト上位指名候補の左腕、法大の山下輝が立大戦に登板したからだ。

 山下は7回を7安打2失点、12奪三振。スカウトのひとりは「予想外に良かった」と、こう続ける。

「春先に平均142〜143キロだったストレートの球速がアップ。この日は150キロも出たし、平均でも145キロを超えていたほど。そのストレートやスライダーが右打者のインコース低めに決まっていた。法大入学後に左肘を痛めてトミー・ジョン手術を受け、1、2年時は公式戦での登板がゼロ。3年から少しずつ投げているだけに、この秋にどの程度の球を投げるのか注目していたけど、手術の影響はほとんどないとみていい。この日の投球で一気に評価を上げた球団もあるでしょう」

 とはいえ、曲がりなりにもドラフト上位候補の左腕だ。プロ側の評価がドラフト前日に急上昇なんてことがあるのか。

「法大野球部はコロナのクラスターによって活動休止に追い込まれ、9日に六大学のリーグ戦初戦を迎えたばかり。5月には創価大野球部の部員がコロナに感染して活動停止を余儀なくされた。プロ側はドラフト候補の実力を正確に、チェックできなかったのです」(前出のスカウト)

 昨年はコロナ禍により春夏の甲子園大会が中止になって、プロ側が高校生の実力を十分に把握できなかった。今年は大学のオープン戦やリーグ戦をチェックする機会がグンと制限された。昨年は大学生、今年は高校生が人気になっているのはそんな背景もあるのかもしれない。

 いずれにせよ、1位指名選手には契約金と出来高払いを合わせて1億5000万円程度のカネがかかる。ほとんどの球団が“不見転”で新人に大金を投じることになるうえ、彼らを獲得するために多くの選手をクビにしなければならない。仕方がないとはいえ、フロント幹部やスカウトは最後の最後までコロナに振り回されたようだ。

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