中野拓夢は大の負けず嫌い 小学時代の小テスト1番を狙って解き終える前に提出【虎の「伏兵」身上調査】

中野拓夢は大の負けず嫌い 小学時代の小テスト1番を狙って解き終える前に提出【虎の「伏兵」身上調査】

盗塁王のチャンスは大いにあり(C)共同通信社

【虎の「伏兵」身上調査】#2

 中野拓夢(1年目・内野手・25歳)

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 山椒は小粒でもピリリと辛い。171センチという小柄な体格だが、目下、新人王候補だ。

 ドラフト6位新人ながら今季、124試合に出場し、打率.273と、遊撃のレギュラーの座を掴んだ(数字は11日現在)。

■母が明かす根っからの負けず嫌い

 山形県天童市で生まれた中野は根っからの負けず嫌いだったと、母・節子さんは語る。

「何でも1番じゃないと気が済まない子でした。小学生の頃、小テストがありますよね。終わった人から提出しますが、拓夢は誰かが席を立った瞬間に飛び出して提出。1番を取りにいっていたようです。自分はまだ解き終わっていないのにですよ(笑い)」

 県内の強豪、日大山形高時代の2年夏に甲子園に出場。大会ベスト4という山形県勢の最高成績を残し、東北福祉大へ進んだ。

■元プロ恩師が太鼓判を押す「芯の強さ」

 同大で指揮を執るのは西武で12年間プレーした大塚光二監督(54)だ。阪神の矢野燿大監督(52)とは、大学の先輩後輩の関係でもある。

「中野は入学した時からプロになりたいと言って、そこを目指して取り組んでいました。感覚ではなく、考えながらプレーできる子だったので、守備位置の指示を出したことはほとんどありません。送りバントさせたこともないですね。ランナーの状況を見て打つべき方向を考えてくれるし、中野なら大丈夫だという信頼がありましたから。野球だけでなく私生活もキチンとしていて、門限を破ったり寝坊で遅刻したりハメを外したり……なんてことはありませんでした。そういう部分では矢野監督とソックリです」と大塚監督は中野の心身にも太鼓判を押す。

「(語気を強めに)体格で判断してはいけません。ロッテの荻野貴司(172センチ)、オリックスの吉田正尚(173センチ)にあるような、突出した芯の強さを感じるんです。俊敏性や体力、頑丈さも申し分がない。中野から、疲れたとか痛い、痒いという言葉を聞いたことはありません」

 1年春からベンチ入りした中野は4年時の全日本大学野球選手権で日本一を経験。プロから注目を集めたものの、育成指名の可能性があったためプロ志望届を出さず、熱心に声を掛けてくれていた三菱自動車岡崎に入社した。2年間プレーし、阪神へ。前出の節子さんが言う。

「阪神の入団が決まると、車をプレゼントされました。三菱時代に社割を使って新車で買ったアウトランダーというものです。『もう要らないから売るなり好きにしていいよ』と。まだローンを払っている途中だと思います(笑い)。主人と2人暮らしで車は3台目になりますが、手放せませんよ」

 現在、26盗塁はリーグトップで、先輩の近本とは3差。「1番」を取るチャンスは十分にある。

(次回は伊藤将司投手)

▽中野拓夢(なかの・たくむ) 1996年6月28日、山形県天童市生まれ。父方の祖父の影響で幼少期から阪神ファン。兄と姉がおり、兄の影響で小学生時代はバスケをしていた時期がある。日大山形高、東北福祉大、三菱自動車岡崎を経て、2020年ドラフト6位で阪神に入団。171センチ、69キロ。右投げ左打ち。

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