2021年ドラフト「得した球団」と「損した球団」 スポーツライター安倍昌彦氏が徹底分析

2021年ドラフト「得した球団」と「損した球団」 スポーツライター安倍昌彦氏が徹底分析

西武はドラ1候補の佐藤隼輔を2位で指名(C)日刊ゲンダイ

 11日に行われた2021年ドラフト。西武が4球団競合の末に、隅田知一郎投手(西日本工大)を引き当て、6球団が1位を一本釣りする波乱の展開となった。アマ球界に詳しいスポーツライターの安倍昌彦氏にドラフトを総括してもらった。

■西武は“1位投手”を2人も指名、下位指名にも有望株

「最も成果を上げた球団は西武です」

 1位で隅田の交渉権を獲得。2位でドラ1候補の左腕・佐藤隼輔(筑波大)を指名した。

「『1位』を2人も指名できただけで100点満点なのに、4位で羽田慎之介(八王子)、5位で黒田将矢(八戸工大一)と将来性豊かな高校生投手を指名したことが何より大きいですね」

 4位の左腕・羽田は191センチ、85キロの恵まれた体格で最速149キロを誇り、和製ランディ・ジョンソンと言われるが、今夏は左肘の状態が思わしくなく、登板はなかった。

 5位右腕の黒田も188センチ、78キロの長身を生かした角度ある球がウリだ。

「隅田、佐藤の指名に成功し、潜在能力の高さを重視した指名ができたのではないか。羽田は体の不安が払拭されればドラ1クラス。スリークオーターから繰り出す速球は菊池雄星(09年1位、現マリナーズ)クラスの投手になれる逸材です」

 黒田は今夏の秋田県予選で風間(明桜→ソフトバンク1位)を見た直後にチェックしたという。

「風間の完成度が70%とすると、黒田は50〜60%くらい。それでも負けず劣らずの魅力がある。3年間で一度も故障なく、走る姿に天性の身体能力の高さを感じます。速球はもちろん、フォークもカウントを取る球、ファウルを取る球、空振りを取る球、としっかり投げ分けている。高橋光成(14年1位)、高校の先輩である種市篤暉(16年6位、ロッテ)クラスの可能性を感じる。早い時期からプロ一本でやってきて、夏の引退後も毎日練習をし、3日に1回はブルペン入り。意識、意欲も高い選手です」

■ヤクルト2位以下の価値判断がもったいない

 一方で、「人選は素晴らしいですが、指名順位を考えるともったいなかったなと感じるのがヤクルトです」と、安倍氏は言う。

「2位の丸山和郁外野手(明大)以下の人選が1巡ずつ早かったように感じます。ヤクルトの2巡目指名はウエーバー順の11番目で3位が14番目。丸山は『ポスト青木』として将来のリードオフマン候補になれる好選手ですし、神宮を本拠地とするヤクルトが東京六大学出身者を好む傾向がある。とはいえ、投手の戦力を考慮すると、2位でロッテ3位の広畑敦也(三菱自動車倉敷オーシャンズ)や、阪神3位の桐敷拓馬(新潟医療福祉大)を指名してからでも、丸山は取れたかもしれない。当初から指名は5人までと決めていたのか、2位で取る予定だった投手が他球団に指名されたことで1巡ずつ繰り上げたのか、もしくは広畑や桐敷の評価がそれほどではなかったのか……」

 波乱のドラフトの答えは数年後に出る。

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