巨人は“脆弱な救援陣”で開幕へ 昨季二の舞へ致命的とOB指摘

巨人は“脆弱な救援陣”で開幕へ 昨季二の舞へ致命的とOB指摘

最後のオープン戦を白星で締めくくった原監督(C)日刊ゲンダイ

巨人が24日、オープン戦最終戦を白星で締めくくった。

 打線は好調だ。二回に陽岱鋼が12球団トップタイの5号。ビヤヌエバが四回に来日1号の同点2ランを放てば、開幕3番に内定しているFA加入の丸も七回に移籍後初本塁打を放った。原辰徳監督(60)は野手陣について「長いペナントレース、全員の力を必要とするわけで、あえて9人に固執する必要はない」などと総括した。

 球団ワーストタイとなる4年連続V逸中。オフには総額40億円規模の大型補強を敢行し、昨秋3度目の就任となった原監督にはV奪回の至上命令が課せられる。

■「生命線」の不安

 問題は投手陣だ。昨季のチーム防御率3.79はリーグトップもリリーフ陣の防御率は4.12で同ワースト2位。昨季67勝71敗5引き分けのうち、救援陣が計20敗を喫した。宮本投手総合コーチは「リリーフ陣だけで20敗。ちょっと多過ぎる。せめて半分にしないと」とブルペンの整備が課題としていた。が、開幕前に早くも誤算が生じている。

 昨季24ホールドでチームトップだった元セーブ王の沢村が、春のキャンプでリリーフ失格の烙印を押され先発転向。リリーフエースとして長年チームを支えてきたマシソンは、感染症の「エーリキア症」を発症し、6月の復帰を目指している状況だ。期待された元ドラ1鍬原も早々と不調で脱落。この日、登板した上原も試合後に二軍落ちが決まった。宮本コーチは「もう少しスピードがほしい」と最速135キロの球威を問題視。2番手で3失点した育成出身の坂本工、田原も二軍に降格した。

 かくして新勝利の方程式は新外国人のクック、吉川光、大江、桜井らが担う。原監督は「昨年の反省はそこ(救援)。(今季は)昨年いなかったメンバーがほとんど。若いブルペン陣にはなるけど、大きな期待を持って向かいたい」とガラリと顔ぶれが変わりそうなメンバー構成を前向きに捉えている。

 しかし、巨人OBで評論家の高橋善正氏はこう言った。

「最も不安なのがクローザーを任されそうなクック。オープン戦も抑えたり、抑えられなかったり(6試合で防御率6.00)。この日は直球、変化球共にまとまってはいたが、簡単に2死を取った後に四球。依然として制球面の不安が拭えません。かねて言われているセットポジション、牽制、クイックにも不安があるのは明らか。前日の試合では走者を出してから死球を与えて失点するなど、セットになると途端にバタバタする。マウンドで怒りをあらわにする場面もよく見かける。昔、抑えを務めたクルーンを彷彿させますが、クルーンほどのスピードもありません。あれでは1点差のしびれる最終回に投入するのは怖いですね」

■計算できる救援ゼロ

 最近では2007年からと12年からの2度のリーグ3連覇がある。そのうち、09、10年は山口鉄と越智、13〜16年は山口鉄とマシソンがフル回転。勝ちパターンのリリーフ陣がしっかりしていた。

「今の野球は七回から九回のリリーフ陣が最も大事。あの頃は抑えは代わっても、山口鉄(07〜17年)とマシソン(12年〜)が絶対的なセットアッパーとして君臨していた。今年は新外国人のクック、一軍未登板の20歳・大江が新戦力。期待はしても計算は立ちません。前日4失点の吉川光、桜井は先発としてダメで、今年からリリーフに回った形。はっきり言って底が割れている投手です。山口鉄やマシソンのようなリリーフ陣の軸になる投手が一人もいない。いや、つくっていないのが問題なんです」(高橋氏)

 宮本コーチには勝ち試合用のリリーフ2パターン構想がある。クック、吉川光、大江、桜井に戸根、宮国、中川らを加え、リリーフ陣もローテーション制にしたいという。裏を返せば、軸がいないから数で勝負ということだが、「計算の立たない投手」ばかり並べてどうするのか。

 リリーフ陣が脆弱だとさまざまな波紋が生じる。まずは先発陣の負担が増す。絶対エースの菅野が昨季、自身初の200イニング超えとなる202イニングに登板したのがいい例だ。

「後ろがしっかりしていれば、先発は六回まででいい。でも、信頼できないと、昨年の菅野のように、球数を投げていても『完投してくれ』となってくる。先発陣にしわ寄せがきます。加えて野手陣も耐えるんです。点を取っても取っても取られる。特に試合終盤にザルで水をすくうような展開が続けば、野手は精神的にイラ立ち、守備、攻撃のリズムも崩れます。昨年はリリーフだけで20敗を喫したことで、チーム全体が機能不全に陥ったということ。それほどリリーフは重要なんです」(高橋氏)

 今季も「後ろ」からほころびが生じるのか。答えはすぐに出る。

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