イチローのような“感動”は皆無…MLBスター選手の引退模様

イチローのような“感動”は皆無…MLBスター選手の引退模様

イチローは大歓声を浴びて引退したが(C)日刊ゲンダイ

【メジャーリーグ通信】

 イチローのように大きな感動の中で、引退する選手は皆無である。大選手でも引退表明→記者会見→ホーム最終戦で簡単な引退セレモニー、というクラシックなパターンで引退するケースが最も多いが、他にもさまざまな形態が存在する。

■失業引退……最近急増しているのが、このパターンだ。メジャーでは30代半ばになると引退年齢と見なされ、有名選手でも契約してくれる球団が見つからなくなる。それでも選手自身はまだまだやれると思っているので、トレーニングを継続しながらオファーを待つことになる。しかし次のシーズンが始まっても、どこからも声がかからず、やむなく引退を決断するパターンが多い。

 大選手は一番長く在籍した球団と1日だけマイナー契約。昔のユニホーム姿で始球式に登場し、ファンに別れを告げる。イバン・ロドリゲス、ジム・トーミ、松井秀喜らはこのパターンだった。

■半強制引退……2010年5月、前の年にマリナーズに復帰していたケン・グリフィーJrは慢心して試合中、ロッカールームで居眠り。監督が代打で使おうと思ったとき、ベンチに姿が見えなかったため、他の選手が探しに来て居眠りが発覚した。球団は怒り心頭。成績も低迷していたため球団社長、GM、監督の3人がグリフィーを呼んで「もう君を使う気はない。クビになって他球団に行くか、ヒーローとしてここで引退するか選択しろ。引退するならそれなりの処遇をする」と迫った。雇ってくれる球団などないことを知っているグリフィーは引退を選択。大選手の風格を漂わせながら記者会見に臨んだ。これに近いのはミゲル・テハダとマニー・ラミレス。晩年に禁止薬物の使用が発覚して100試合出場停止になり引退に追い込まれたケースだ(ラミレスはのちに引退を撤回)。

■お別れツアー引退……MLBが13年に導入したスーパースターの引退方式で、遠征先の球場で相手チームが当該選手を称えて記念品を贈呈するセレモニーを、すべての遠征先で執り行う。各球団は1シーズンに18チームとロードで対戦するので、セレモニーは18回行われることになる。このお別れツアー引退の対象になったのはマリアーノ・リベラ、デレク・ジーター、デビッド・オルティスの3人である。この方式の難点は、抜群の成績を挙げても引退を撤回できないことだ。オルティスは打ちまくって打点王になったのに引退せざるを得なかった。

(スポーツライター・友成那智)

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