山本由伸ポスティング公示 総額300億円超契約に加え「契約破棄条項」まで盛り込む勝算

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AIざっくり要約

  • 山本由伸のMLB移籍が21日から交渉開始し、9年335億円の条件が報じられた。
  • 山本はメジャーですぐにエース級の地位を築ける可能性があり、数年後に再びFAになる狙いもうかがわれた。
  • ヤンキースとドジャースが山本獲得に強く乗り出し、条件面での競り合いが期待されるが、山本は好条件を望んでいるようだ。

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(自信の表れか(山本由伸)/(C)日刊ゲンダイ)

 大谷翔平(29)と並ぶFA市場の目玉で、オリックスからポスティングシステムでメジャー移籍を目指す山本由伸(25)の争奪戦がいよいよスタートする。

 米大リーグ機構は20日(日本時間21日)、山本を全30球団に契約可能選手として通知したと発表。交渉期間は21日から米東部時間来年の1月4日午後5時(同5日午前7時)までの45日間。譲渡金を支払う意思を持つ全ての球団と交渉できる。

 メジャーのサイ・ヤング賞に相当する沢村賞を3年連続で受賞した右腕は今オフの移籍市場で、エンゼルスからFAになった大谷に次ぐ2位にランクされている。多くの米メディアは9年総額300億円超の契約規模になると予想。実現すれば2014年にヤンキースと7年161億円で契約した田中将大(現楽天)のポスティング移籍史上最高額を更新する。

 そんな中、米メディアが本人の希望する条件が明らかになったと報じている。選手の移籍に関する情報を扱う「MLBトレード・ルーモア」のマーク・ポリシュック記者は18日、山本に関する記事を掲載し、9年総額335億円程度で合意すると予想。契約には登板試合数やサイ・ヤング賞など表彰に応じた出来高の他、契約期間内にオプトアウト(契約破棄)できる権利も盛り込むつもりだという。

 ポリシュック記者は、日本で沢村賞などのタイトルを総ナメ、来年の8月で26歳と若く伸びしろもある山本は、メジャーでもエース級まで上り詰める可能性があると指摘。結果を残し、数年後に再び、FAになってより好条件を狙うだろうとしている。

■一線級の選手に利点


(ヤンキースのキャッシュマンGM(左)は山本のノーヒットノーラン(右)をネット裏最前線で観戦(C)共同通信社)

 メジャーでは一線級の選手ほど、契約にオプトアウト条項を盛り込む傾向にある。今オフはタイガースのE・ロドリゲス(今季13勝9敗、防御率3.30)、カブスのM・ストローマン(同10勝9敗、防御率3.95)らのエース級がオプトアウト権を行使。自ら契約を破棄してFA市場に出た。メジャー関係者がこう言う。

「オプトアウト条項は近年、一般的になりつつあり、5年以上の複数年契約を結ぶ選手に多く見られるようになった。無条件で契約破棄できるケースも中にはありますが、例えば2~3年目までに規定のイニング数をクリアするとか、サイ・ヤング賞やMVP投票で3位以内に複数回入るなどの条件が課されるケースが一般的です。もし、基準に満たなくても、当初の契約をまっとうすればいいだけにリスクが少なく、選手にとって有利な契約です」

■ヤンキースは青天井

 山本を巡ってはすでにヤンキース、レッドソックス、ドジャース、メッツといった資金力豊富な球団が獲得に乗り出すことが確実だ。

 ヤンキースはキャッシュマンGMが9月9日のノーヒットノーランをゾゾマリンのネット裏最前列で観戦。ドジャースの編成責任者のフリードマン編成本部長は、3月のWBC宮崎合宿を視察しただけではない。10月2日には山本が登板した京セラドームの日本ハム戦をこっそり観戦している。

「今季の2ケタ勝利がエースのコールひとりのヤンキースは、何が何でも先発が欲しい。ドジャースにしてもゴームズGMが、先発の補強がオフの最優先事項だと公言している。マネーゲームになれば最終的に2球団の一騎打ちになる可能性が高い。球団の評価以上に金額が膨れ上がれば降りることが多いドジャースに対し、ヤンキースは欲しい選手に対してはそれこそ青天井。田中の争奪戦も最後はこの2球団の勝負になり、ヤンキースの金額が上回った。つまり争奪戦にヤンキースが加わることで、いやが上にも相場はハネ上がるし、条件も良くなる。山本サイドが望んでいるといわれるオプトアウト条項も入る可能性が出てきます」(前出の関係者)

 仮に山本がポリシュック記者が予想するように9年335億円で契約すれば、年平均約37億2000万円。ヤンキースが本腰を入れれば、金額はそれ以上に膨れ上がるかもしれない。新天地で結果を残し、オプトアウト条項を行使してFAになれば、今回のような激しい争奪戦に発展するのは必至。年俸はさらに膨れ上がることになるが、メジャーで一球も投げないうちから総額300億円超の評価を受けて、なおかつ契約にオプトアウト条項を盛り込もうというスタンスは自信の表れとみるべきか。

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