【日本球界 米ドラ1獲得の全内幕・中】代理人ボラスはドラフト直前の今がまさに売り時と考えた

【日本球界 米ドラ1獲得の全内幕・中】代理人ボラスはドラフト直前の今がまさに売り時と考えた

スチュワート投手の代理人ボラス氏(C)日刊ゲンダイ

【日本球界 米ドラ1獲得の全内幕】(中)

「スチュワートと(代理人の)ボラスは、来る時に魅力的なFA選手になるべく、ギャンブルをしている」

 先日、米ニューヨーク・ポスト紙はこう書いた。ソフトバンクとの契約が秒読み段階に入ったスチュワート(19=東フロリダ州立短大=顔写真)。米メディアはソフトバンクが6年総額700万ドル(約7.7億円)を上回る条件を提示したと報じた。

 スチュワートは昨年のドラフトでブレーブスから1巡目(全体8位)指名されたが、身体検査で手首の問題が発覚。450万ドル(約5億円)とみられていた契約金は200万ドル(約2.2億円)に抑えられたという。これを不服としたスチュワートは、強気で知られるスコット・ボラス氏と代理人契約を結び、入団を拒否した。

 これがソフトバンク入りの契機となった。かねてボラス氏は、米国のみならず、中南米選手を含めたアマ選手を日本に売りこもうとしていた。昨年のウインターミーティングでも、ジャパン・タイムズの取材に「日本球界は今以上に、アメリカのアマ選手に関与すべき」と語ったという。

■1巡目指名選手であるうちに

 スチュワートが日本で失敗するリスクを差し引いても、むこう6年間に限れば、米球界でプレーするより日本の資金力がある球団に在籍した方が収入は上回る。

 では、よりによってドラフト前の5月に契約することになったのはなぜか。

 昨年は1巡目の全体8位指名だった右腕だが、2019年のベースボール・アメリカのドラフト候補ランキングでは38位にとどまっている。米メディア関係者がこう解説する。

「スチュワートが昨年以上の評価を得ることが難しく、1巡目の後半か2巡目での指名になることが、ドラフト直前のこの時期になっていよいよハッキリしたのです。そうなると契約金は昨年のブレーブスの提示額である200万ドルにさえ届かない。MLBでは12年以降、ドラフト指名選手の契約金に制約が設けられ、投入可能な資金が削られた。相場は全体1位で700万ドル程度、1巡目の後半から2巡目になると160万〜170万ドルくらいまで評価が落ちる。ドラフト前の今ならスチュワートは『全米1位で、なおかつ最低でも契約金200万ドルを得ることができた選手』ですが、今年のドラフトで指名されると、それ以下の選手ということが明確になる。ソフトバンクがその評価の選手に6年700万ドルを提示する保証はない。ドラフト前に契約した方が、よりよい条件を引き出せるとボラスはソロバンをはじいたのでしょう」

 全米ドラ1選手の異例の決断によって、早くも全米ドラフト対象のアマ選手が心を揺さぶられ始めている。 

 =下につづく

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