エ軍大谷「サイ・ヤング賞の翌年にHR50本でMVP」の現実味

エ軍大谷「サイ・ヤング賞の翌年にHR50本でMVP」の現実味

大谷への期待は膨らむ一方だ(C)共同通信社

13日(日本時間14日)のレイズ戦では日本人選手として初めてサイクル安打を達成。通算3089安打のイチロー(現マリナーズ特別GM補佐)、同175本塁打の松井秀喜(現ヤンキース巡回コーチ)も成し得なかっただけに、大谷は「偉大な先輩がいる中で、初めて達成できてうれしいし、自信になる」と素直に喜びを口にした。

 5月7日のタイガース戦で復帰してから6月16日(同17日)まで、34試合に出場して133打数37安打の打率2割7分8厘、8本塁打、27打点。マリナーズ・菊池、ドジャース・前田と、日本人投手から立て続けに一発を放つなど、6月に入って一気に調子を上げ始めた。

■イチロー提唱の「新二刀流」

 投げてはエース級、打っては長距離砲としての実力の持ち主であることは、新人王を受賞した昨季の働きで証明済みだ(4勝2敗、22本塁打)。投打とも一級品のそんな大谷の起用法に関して、イチローが今年3月の引退会見で「1シーズンは投手、次(の年)は打者として出場。その二刀流は面白い」と提案。さらに「サイ・ヤング賞の翌年に50本塁打打ってMVPとか。翔平はそれが想像できなくない」と期待を寄せた。

 日本人初のサイクル安打達成でイチローが提唱した「新二刀流」には、俄然興味が湧いてくるが、マウンドや打席から離れれば、実戦感覚に不安が生じるリスクもある。果たして、1年おきに起用法を入れ替えるのは本当に可能なのか。

「投手としてのブランクは問題ないと思います。1年間、実戦登板しないとしても、ケガで投げられないわけじゃない。野手に専念する年でも、合間、合間で投手としての練習はできる。定期的にブルペンに入るなど、投球としての調整を欠かさなければ、たとえ1年間空いたとしてもパフォーマンスに影響はないと思う。いいようにとらえれば、肩ヒジを休ませられるというメリットがある。隔年の方が投手として長く現役を続けられるのではないか。ブランクでいえば、むしろ生きたボールを打てない野手の方が心配ですね」(JスポーツMLB中継で解説を務める評論家の三井浩二氏)

■薄い選手層がネックか

 投手か野手、どちらか一方に専念すれば、イチローが言うようにサイ・ヤング賞、本塁打王のタイトル獲得は確かに期待を抱かせる。

 しかし、エンゼルスは、あくまでも投打の二刀流のスタンスを崩さない。ただでさえ、選手層が薄いだけに、大谷の限定起用は決して現実的ではないのだ。

 スポーツライターの友成那智氏は「イチローの言うことは確かに一理ありますが」と、こう続ける。

「投手に専念すれば、中4日のローテで、年間32試合、200イニング以上、逆に打者一本なら、約600打席が可能になる。大谷の力量ならMVP級のパフォーマンスを発揮するとは思いますが、エンゼルスのエプラーGMは、どちらか一方での起用は考えていないはずです。球団としては大谷の記録やタイトルは二の次で、何よりもチームの勝利が優先だからです。サイ・ヤング賞、本塁打王よりも、1シーズンで10勝、20本塁打の方がチームへの貢献度は高い。投打の二刀流こそが大谷に求められる役割です。投手として復帰する来季は、昨年のように中6日のローテで、登板日の前後を休養させる起用法になると思います」

 来季から二刀流枠が新設され出場選手枠も従来の25人から26人に拡大。投手を1人多く登録できるため、大谷を二刀流枠に収めて、フル回転で働かせた方が得策なのだ。

 大谷による日本人初のサイ・ヤング賞、本塁打王のタイトル取りは難しいか……。

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