二軍戦視察で考えた 松坂大輔には「2段モーション」しかない

二軍戦視察で考えた 松坂大輔には「2段モーション」しかない

ファームで奮闘する松坂(C)共同通信社

【松坂、涌井、筒香を育てた 鬼の秘伝書】

 微妙な判定だった。
臨時コーチを務める山梨学院が10日、夏の甲子園1回戦で熊本工と対戦。延長十二回にサヨナラ本塁打を浴びて敗れた。

 山梨学院は初回に2点を先制したが、四回2死一塁の守備で際どいプレーがあった。

 5番打者の打球は左翼線へ飛んだ。遊撃の小吹が中継してダイレクトで好返球。微妙なタイミングだったが、セーフとなった。最終的に2―3でサヨナラ負けとなったから、この1点は大きかった。後で映像で確認したが、やはりアウトのように見えた。高校野球に抗議権はない。もちろん審判の判定は絶対で、選手たちにも、そう指導している。しかし、プロ野球では「リプレー検証」が行われる時代。高校野球も延長戦のタイブレークや球数制限の議論がされるなど、改革の波が押し寄せている。せめて甲子園大会の1点入るか入らないかという本塁上のクロスプレーだけでも、ビデオ判定を導入できないか。現場の関係者やファンも、それを望んでいるだろう。

■松坂は投球時に左肩入れる悪癖の修正が課題

 開会式が行われた6日は練習をオフにした。ホテル暮らしが続くため、たまにこういう日を設けないと、選手は息が詰まってしまう。ちょうどその日、中日の松坂が二軍のオリックス戦に先発すると聞いた。先月27日のDeNA戦で1死しか取れず、8失点でプロ最短のKOを食らっていた。二軍降格後の初登板を見るため、オリックスの二軍が使用する大阪・舞洲の球場へ出向いた。

 試合前、松坂に「見た後にダメ出しして下さい」と言われた。5回3安打3失点。7三振を奪ったが4四球を与えた。

 相変わらず、投球フォームが良くない。左足を上げる際に左肩を入れる。腕が横振りになり、遅れて出てくるため、カーブがスッポ抜けてしまう。アウトコースにいい球がいっても、ボール1個分外れてしまうのだ。

 中には生きた球も見られた。意図的に球を動かしており、いい真っスラがある。しかし、これが続かない。

 試合後、左肩を入れるムダな動きをそぎ落とせるかにかかっている、といった話をしたが、もう後がない。松坂と別れてから、どうすればいいか考えた。

 今の松坂には「2段モーション」が合うのではないか。左足を2段にすることで、左肩を入れる悪癖を排除できるかもしれない。これができれば、上体の力みも抜ける。

 それにしても暑い。スタンドで見ていたら熱中症になりそうだった。二軍戦は屋外でのデーゲームが多い。松坂ももう38歳。「暑くてきついです」と漏らしていた。一軍が使う冷房が効いたナゴヤドームに戻るため、2段モーションを試してみる価値はある。

(小倉清一郎/元横浜高校野球部部長)

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