清宮幸太郎の「早大進学」に一利なし “退化”懸念する声も

早稲田実業の清宮幸太郎に「すぐプロに行くべき」と青島氏 斎藤佑樹を引き合いに指摘

記事まとめ

  • 早稲田実業の清宮幸太郎が高校通算最多本塁打記録の107本に並んだ
  • 早大進学が有力との声があるが、青島健太氏は「高校からすぐプロに行くべき」と話す
  • 早大へ進み、日本ハムで結果を残せていない斎藤佑樹を引き合いに出して指摘した

清宮幸太郎の「早大進学」に一利なし “退化”懸念する声も

清宮幸太郎の「早大進学」に一利なし “退化”懸念する声も

勝利を決定づけるソロ本塁打を放ち、雄叫びをあげる清宮(右)/(C)日刊ゲンダイ

 早実の清宮幸太郎が高校通算最多本塁打記録の107本に並んだ。

 28日の西東京大会準決勝、八王子学園八王子戦に「3番・一塁」で出場。1点リードの七回の第4打席だ。外角低めに逃げていくツーシーム系の変化球を、逆らわずに左中間スタンドへ叩き込んだ。八王子の守備陣は「清宮シフト」を敷いていた。レフトは左中間に守っていたが、打球はあざ笑うかのようにその頭上を越えていった。

 試合は早実が4―1で勝って30日の決勝に進出。春夏連続甲子園出場へあと1勝に迫った。同時に注目される進路については、いまだ「早大進学が有力」との声があるのだが、スポーツライターの青島健太氏はこう言う。

「大学は勉強するために行くところであって、大学生が勉強するのは当たり前。野球選手として成功しようと思っているのであれば、早くプロに行って環境に慣れて活躍した方がいいでしょう」

 青島氏は進学校である埼玉県立春日部高校から慶応大へ進み、東芝へ入社。都市対抗野球にも出場し、85年にドラフト外でヤクルトに入団した。

「大学は授業と野球のタイムマネジメントをうまく組まないといけないのが難しい」と自らの体験を語ったうえで、「野球一本で生きていく、人生を野球だけで構築していくという覚悟があって、清宮くんのような実績と才能に恵まれた選手であれば、高校からすぐプロに行くべきです」と言う。さらに、早実から早大へ進み、日本ハムで注目度以上の結果を残せていない斎藤佑樹を引き合いに出してこう言った。

「斎藤佑樹くんは野球だけで生きていくという覚悟がなく、迷いがあったから進学したのだと思います。今、斎藤くんが野球選手としてダメと言われても、今後キャスターや政治家になったら『大学を出ておいたからなれたんだよ』となりますから」

■「大学進学はむしろマイナス」の理由

 清宮はしかし、メジャーリーガーになることを最終目標に掲げている。実力も野球選手として生きていく覚悟もあるだけに、大学進学は回り道にしかならない。青島氏が経験を交えながらこう話す。

「田舎育ちの僕と違って、清宮くんは都会育ち。僕は(東京の)大学に行ってメディアや都会に対する備えを身に付けたけど、彼の場合はもう幼い頃から大人の世界を知っているし、メディアとの接点もある。そういうことを勉強する必要もない」

 清宮の周囲にはそれでも早大進学を勧める人がいるという。「せめて大学くらいは出ておいた方がいい」らしい。

 しかし、青島氏が指摘するように、野球を職業にする覚悟があるのであれば、すぐにプロの門をたたくべき。「大学進学はむしろマイナス」というのは評論家の高橋善正氏だ。

 現役引退後、巨人などで投手コーチを務めたほか、スカウトや母校である中央大野球部監督も経験した同氏がこう続ける。

「清宮にプロ1年目からレギュラーを張れるだけの体力があるかどうかはともかく、体はある程度、出来上がっているし、それなりの技術も持ち合わせています。プロのスピードに慣れれば、力を発揮できる可能性がある選手だけに、すぐにでもプロに行くべきですよ。大学は春と秋のリーグ戦期間以外にオフがあるし、野球漬けというわけにいかない。大学の4年間は明らかに遠回りです。それにプロと比べてレベルの低い大学でいくら結果を残しても技術的に進歩しない。むしろ野球選手として退化します。いい例が、江川ですよ。高校から即、プロ入りしていれば、最後の300勝投手になれたかもしれないのに、大学に行ったために投げ方まで悪くなって、力も落ちましたからね」

■引退後に大学進学の選択も

「大学卒」の肩書は、むしろ邪魔になる可能性すらある。

「わたしたちのころならともかく、そもそも大卒の肩書がどうこういう時代ではないでしょう。野球をやめた後のことも考えるから進学の選択肢も出てくるわけで、だとすれば、野球で生きていこうとするうえで逃げ道になりかねません」とは前出の高橋氏だ。

 例えばメジャーには現役引退後、大学に入り直して専門的な教養を身に付け、それから医者なり弁護士なり実業家になる選手が山ほどいる。

 野球をなりわいにすると決めたからには、脇目も振らず野球に専念する、退路を断つ覚悟が必要だし、それくらいの意志の強さがなければ一流にはなれないのではないか。別の夢もあって、専門的な勉強がしたければ、メジャーリーガーのように現役を引退してからでも遅くはない。

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