侍Jに早くも暗雲…ハムOBが明かす稲葉新監督「2つの顔」

侍ジャパン新監督・稲葉篤紀氏の『2つの顔』に、結束どころでない危険性を指摘

記事まとめ

  • 侍ジャパン新監督に稲葉篤紀氏が決定し、都内のホテルで就任会見が行われた
  • 稲葉氏には丁寧で礼儀正しいという顔もあるが、現役時代の言動には危惧する声もある
  • ミスした選手に精神論を振りかざし追詰めた事もあるといい、同じ事をするのではと危惧

侍Jに早くも暗雲…ハムOBが明かす稲葉新監督「2つの顔」

侍Jに早くも暗雲…ハムOBが明かす稲葉新監督「2つの顔」

爽やかにガッツポーズを決めたが…(C)日刊ゲンダイ

「(20年東京五輪は)もちろん金メダルです。そこしか目指しません」

 31日、都内のホテルで侍ジャパン稲葉篤紀新監督(44=日本ハムSCO)が就任会見。プロ球団での監督経験がない上に、本命、対抗といわれた代表監督候補が次々と消え、火中の栗を拾う格好になった新指揮官は、「経験がなく非常に不安があった」としながらも、「金メダル」を7回も連呼する表情は「爽やか」のひと言だ。

 その稲葉監督は現役時代から丁寧で礼儀正しく、顔見知りの記者や関係者を見つければ自ら笑顔で声をかける。特にメディアの受けは抜群で「欠点といえば人がよすぎるところ」と言われることもある。

 今年3月のWBCが終わった後、日刊ゲンダイの記者にはこんな言葉を漏らしていた。

「(17年WBCの)小久保監督はすごく責任感の強い指揮官だった。いろいろ批判されて大変な中でね。プロ野球の監督だって日本で12人しかできない。もう少し褒められてもいいと思う。『勝てば選手のおかげ、負ければ監督の責任』。監督とはそういう立場だというのは分かっているけど、僕は嫌われるのがイヤだから監督は無理かな(笑い)」

■選手と首脳陣の板挟み

 今回、イヤだと言っていた監督に就くことになったわけだが代表経験は豊富。08年北京五輪から今年のWBCまで4大会連続で選手、コーチとして日の丸のユニホームを着ている。09年WBCでは世界一を達成したが他の3大会は敗れている。勝利の味だけでなく敗戦の痛みも稲葉監督の胸に刻まれているという。

「代表最年長として参加した13年のWBCではこんなことがあった」

 とは、放送関係者。

「大会期間中、代表宿舎の食事会場では毎晩のように山本浩二監督ら首脳陣が食事をし、酒盛りしていた。激戦が続く中、食事の時間は貴重な安らぎの場。選手、裏方の間で『これでは落ち着いて食事ができない』と困惑する声が出た。見かねた主力投手が最年長の稲葉に『やめるように言ってもらえませんか』と頭を下げた。しかし、稲葉にとって山本監督、高代コーチは法大の大先輩であり、梨田コーチは日本ハムの元監督。稲葉は逆に酒盛りに誘われ、断ることで精いっぱいだった。意見することができなかったことを今でも悔いているという。真面目な稲葉らしい話です」

■自分にも他人にも厳しいタイプ

 この日の会見で選手の人選について、「(現役時代は)全力疾走でやってきた。とにかく最後まで諦めず、全力でプレーする熱い選手を集めて戦いたい」と熱弁を振るった指揮官には一方で、こんな一面もある。

「全力でやれ! ヤル気がないなら今すぐ野球をやめろ!」

 稲葉監督が現役時代、日本ハムでプレーしていた時のことだ。

 若かりし中田翔が定位置を掴んで間もない頃、試合で左翼フェンス直撃の大飛球を放った。中田は手ごたえ十分で本塁打になると思い、ベースランニングのスピードを緩め、結果的に二塁打になった。その回が終わってベンチに戻った中田に選手・稲葉は、大目玉を食らわせたのだ。

 稲葉と中田といえばファンも知る師弟関係にある。稲葉の引退セレモニーでは互いに目を真っ赤に腫らし、稲葉は「中田翔のことをよろしくお願いします」とファンに頭を下げた。中田は「怒られたことは数知れず。僕にとっては特別な存在」と感謝している。

「一方で、こうした過剰な言動が時に裏目に出ることもあった。稲葉はヤクルト時代から猛練習を重ね、自分にも他人にも厳しい。中田のように信頼関係があるならまだしも、そうでない選手にも同様に接するので、これに眉をひそめる関係者も少なくなかった」

 とは、日本ハムOB。

「大谷翔平がまだ1年目のこと。成績いかんにかかわらず、二刀流という話題が先行し、連日のように新聞にデカデカと報じられた。あるとき稲葉はロッカールームで『何も活躍していないのに、毎日1面飾れていいよなあ』というふうに、みんなに聞こえるくらいの大声で言ったそうです。チヤホヤされてつぶれる選手を山ほど見てきた稲葉としては“親心”だったかもしれない。しかしハムの関係者には『それにしたって言い方があるだろう』とか『あの人は外面はいいけど裏がある。みんなに聞こえるように言わず、面と向かって言えばいい』という受け止め方をされた。KOされた投手をベンチで叱責したり、ミスした選手を誰かれ構わず精神論を振りかざして追い詰めたりしていたからです。選手としては2000安打など実績や人気があるのに日本ハムの監督候補になれないのは、こうした人間性が影響しているともっぱらです」

 侍ジャパンには名前も実績もプライドもある連中が集まる。打撃コーチの立場では遠慮もあったろうが、監督ともなればそれも必要ない。

「ハム時代と同じようなことをやったら、結束どころか、まとまるものもまとまらなくなる危険性をはらんでいる」とは、前出OBだ。

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