移籍は得か損か ダルのドジャース入りをMLB通はどう見る

移籍は得か損か ダルのドジャース入りをMLB通はどう見る

ドジャーズに合流したダルビッシュ(C)AP

「貧打、拙守、リリーフ陣の不調と三重苦だったレンジャーズ時代と比べれば、新天地では大幅な勝ち星の上積みが期待できますよ」

 米7月31日のトレード期限ギリギリにドジャースへ移籍したダルビッシュ有(30)について、こう言うのはスポーツライターの友成那智氏だ。

 2日現在、チーム打率は30球団中28位(.240)のレンジャーズに対して、ドジャースは10位(.259)。

 リリーフ陣の防御率は30球団中22位(4.47)のレンジャーズに対し、ドジャースは2位(2.91)。ジャンセンはメジャーを代表するストッパーだ。

「ドジャースは強力打線とリリーフ陣が話題に上りますが、守備も安定しています。中でもベリンジャー、ペダーソン、プイグの外野3人は守備範囲が広いうえに強肩。拙守に足を引っ張られることなく、無駄な失点も減るはずです」

 本拠地球場の差も大きい。ダルはグローブライフ・パーク・イン・アーリントンについて「(バットの)先っぽでも(打者が)泳いでも、(打球が)上がると落ちてこない。他の場所で投げるのとではまったく違う」と話している。

■ドジャースタジアムは「投手有利」

 レンジャーズの本拠地は典型的な「打者有利」の球場だったが、ドジャースタジアムは真逆。中堅から本塁に向かって風が吹くうえ、夜になると風が湿気を含むため、本塁打が出にくい「投手有利」の球場として知られる。

 しかもドジャースタジアムは両翼が100.6メートル、左中間、右中間が117.3メートルと広いため、飛球が多いダルが一発を食うケースも減るはず。球場の特性も含めれば三重苦どころか「四重苦」から解放されることになる。

「ドジャースはレギュラーシーズン終了まで先発を6人で回すとみられるので、ダルは余裕を持ってマウンドに上がれるのではないか。ローテーション通りならレギュラーシーズンはあと9〜10試合に登板する。少なく見積もっても5〜6勝は計算できるでしょう。レンジャーズでの6勝(9敗)と合わせて、勝ち星は2ケタに乗せると思いますね」(友成氏)

■終盤とポストシーズンを評価

 移籍してもレンジャーズとの6年契約は引き継ぐため、ダルはシーズン終了後、FAになる。今季まで6年総額約61億6000万円、年平均約10億円だった年俸が、オフにハネ上がるのは確実視されている。それがドジャースへの移籍によって、さらに膨れ上がることはあるのか。前半戦以上の成績を残し、例えばワールドシリーズ制覇に貢献したりすれば、評価は変わるのか。

「今オフのFAの目玉投手はダルと、カブスのアリエッタ(2日現在、10勝8敗、防御率3.88)の2人。売り手市場だけに、好条件のオファーを受けるとみられ、多くの米メディアは5年総額約165億円と予想しています。けれども、今後の投球内容、ポストシーズンの貢献度次第では6年総額約220億円まで吊り上がる可能性はあります。メジャーはレギュラーシーズン終盤やポストシーズンでの活躍が評価されるからです」

 こう言う友成氏がさらに続ける。

「日本ハム・大谷の動向がダルの去就や契約に影響するとの米メディアの報道がありますが、昨オフの新労使協定で25歳未満の海外選手を獲得する場合、契約金や年俸、出来高などをすべて含めた総額は年間約5億6700万円に制限された。大谷がオフにメジャー入りするとなればFA市場最大の目玉ですが、ダルが条件面で割を食うことはないと思います」

 ダルは4日(日本時間5日)のメッツ戦から、ドジャーブルーのユニホームに身を包んで登板する。今後の投球内容次第で「5年165億円」が「6年220億円」までハネ上がるのだから、新天地でこれまで以上に気合が入るのは間違いない。


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