目当ては清宮より中村奨成 巨人がU18へスカウト緊急派遣

目当ては清宮より中村奨成 巨人がU18へスカウト緊急派遣

広陵の中村奨成(左)と早実の清宮幸太郎(C)日刊ゲンダイ

 U18W杯(9月1日開幕)に出場する高校日本代表が29日(日本時間30日)、開催地カナダのサンダーベイで練習を開始した。

 乗り継ぎを含めた移動には、実に20時間近くを要した。この日未明に到着した選手たちはさすがに疲労困憊のはず。それでも現地時間午後1時から体を動かした。

 そんな日本代表をカバーする態勢に突如、変化が生じたのが巨人だ。

 当初、スカウトは日本での練習試合3試合をチェックするだけで、カナダには派遣しない方針だった。

 ところが、ここにきて急きょ、井上チーフスカウトが現地入りすることになった。さるチーム関係者がこう言う。

「ドラフト指名筆頭候補の早実の清宮幸太郎はこれまで散々チェックしてきたし、今さら木のバットをどう使うとか、そういうレベルの選手ではない。彼の場合、早大進学の可能性が高いという情報もあるし、プロ志望届を出すか出さないかが唯一にして最大のポイント。すでに評価の定まった選手のために、わざわざ海外にスカウトを派遣するのは時間と人件費のムダですからね。ちょうど大学のリーグ戦が開幕する時期でもありますから」

 清宮の評価が不動のものになっているのであれば、確かに追い掛けても意味はない。にもかかわらず、現地にわざわざチーフスカウトを派遣するのは、清宮の評価を上回る可能性をもった選手が出てきたということだろう。

 パ・リーグのあるスカウトはこうみる。

「甲子園で大会記録を塗り替える6本塁打を放った強肩強打の捕手・広陵の中村奨成ですよ。清宮が大学進学を選択した場合はもちろんのこと、仮にプロ志望を表明したとしても、巨人が1位を清宮から中村に乗り換える可能性が出てきたということでしょう。要するに清宮の評価が下がったのではなく、中村の評価がグンと上がった。巨人のスカウトは中村の木製バットへの適応や、捕手としてのリード面などをよりプレッシャーのかかる国際試合で綿密にチェックしたいのですよ」

■帯に短し、たすきに長し

 巨人の岡崎スカウト部長は、日本代表の選手がカナダに出発した当日のスカウト会議終了後、清宮や中村を含む「12人前後」のAランク選手に変更はないと言った。中村については「甲子園で活躍をしたから評価が変わったわけではない。スカウト部としては甲子園に出ていなかったとしてもA評価は変わらなかった」と強調した。

 しかし、ある球団関係者は、「確かに中村はマスコミが騒ぐ前からずっとA評価だけど、12人前後の中では下の方の位置付けだったのが、甲子園と25日からの3試合の練習試合で急上昇したのは間違いない」と言う。要するに、同じAランクでも外れ1位クラスからトップクラスにハネ上がって、今後の内容次第では清宮を上回るかもしれないということだ。

 巨人の捕手は重要な補強ポイント。現段階の正捕手は小林誠司(28)だが、打率は・203。この日の広島戦では1点を追う八回に代打を送られた。最近、2年目の宇佐見真吾(24)がサヨナラ本塁打を放つなど、打撃で結果を出しているものの、スタメンマスクはわずか2試合にとどまっている。

「宇佐見は初スタメンの阪神戦で同点弾を放ったが、次の試合で新人の谷岡をうまくリードできずに大敗。高橋由伸監督はこの試合後、宇佐見から再び小林にスタメンマスクを戻している。守備面の信頼を勝ち取れない宇佐見と、貧打が解消されない小林。高橋監督にとっては帯に短し、たすきに長しなんです」(前出のチーム関係者)

 捕手難というチーム事情もあって、強肩強打の捕手である中村の評価はさらに上がった。巨人の中村に対する評価がカナダでどこまでアップするのか見ものになってきた。

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