ヤ軍GM視察も…ハム大谷「メジャーで二刀流」実現性は?

ヤ軍GM視察も…ハム大谷「メジャーで二刀流」実現性は?

メジャーが評価しているのは投手としての能力(C)日刊ゲンダイ

 ひとりの日本人選手見たさに、これだけ多くのメジャーの編成責任者が来日したケースはかつてなかった。31日、日本ハムの大谷翔平(23)が札幌ドームで行われるソフトバンク戦に登板。ヤンキースのキャッシュマンGMは、大谷の今季2度目の登板に合わせて、わざわざ来日した。

 8月18日からの対西武3連戦は、ドジャースの編成部門責任者であるフリードマン取締役編成本部長が視察。5月11日にはレンジャーズのダニエルズGMが、故障で離脱中の大谷を見るためだけに、千葉・鎌ケ谷の二軍施設に足を運んだ。

 ヤンキースとドジャースは、人気と実力を兼ね備えたメジャーで一、二を争う老舗名門球団。レンジャーズにしても、昨年まで2年連続地区優勝の強豪だ。そんな球団のフロント幹部たちが我も我もと来日、大谷に秋波を送るのだから、メジャーでの評価が高いのは疑いようがない。

 とはいえ、大谷は依然として、右足首に不安を抱えていて、万全な投球ができる状態ではないという。「バランス的に完璧な投球はできないけど、とりあえずいくつもり。60球くらいになる」と栗山監督も話している。それでも日本ハムが大谷をマウンドに送り出す理由について、「続々、来日するメジャー球団のフロント幹部やスカウトに投手もできるということをアピールするためでしょう」と、日本ハムOBがこう言った。

「仮に大谷が実戦登板しないままシーズンを終えるとすると、かなりの数のメジャー球団が手を引くと聞きました。右足首の故障が原因で投げられないのであれば、獲得する意味がないという判断でしょう。つまりメジャー球団が高く評価しているのは、投手としての能力なのです。日本ハムもそんな事情が分かっているからこそ今回、大谷の登板に踏み切ったのでしょう」

■金額より起用法にこだわり

 問題は大谷本人の希望が、あくまでも投打の二刀流という点だ。

 大谷が今オフ、利用するであろう入札制度は現在、改正に向けて日米両球界が協議中。メジャー側の要望で2000万ドル(約22億円)という入札金の上限が大幅に下がる可能性はあるものの、移籍金付きのFAという基本的なシステムまで変わるとは思えない。大谷がこだわるのはカネより起用法らしいから、「二刀流」の希望をかなえられる球団でなければ獲得は困難になる。

 チーム編成の責任者がわざわざ来日するヤンキース、ドジャース、レンジャーズは、果たして大谷の意向をくむことができるのか。

 くしくも今年のメジャーのドラフトでは、二刀流選手が注目された。学生時代に投打で飛び抜けた成績を残したブレンダン・マッケイ(21)がレイズ、ハンター・グリーン(18)がレッズにそれぞれ1巡目指名で入団。ともにルーキーリーグでは投手と野手で出場している。両球団は二刀流で一人二役、ベンチ入りメンバー25人の有効活用を模索しているともいわれるが、「レイズもレッズも戦力が乏しいチームだからですよ。ヤンキースやドジャースで二刀流は現実的にみて不可能でしょう」とスポーツライターの友成那智氏はこう言った。

「ヤンキースやドジャースは、メジャーの中でも選手層が厚い。例えばドジャースは4番を打つエイドリアン・ゴンザレスの故障が癒えても休ませる余裕があるほど。外野の層が薄いレンジャーズにしても、驚異的なペースで本塁打を量産するマーリンズのスタントン外野手をオフにトレードで獲得する構想がある。投手以外にポジションを与えるとすれば外野手かDHですが、強いチームにはすでに実績ある選手がいますからね。球団は大谷が10勝して20本塁打を打つなら、投手に専念して15〜20勝してもらいたいと考えるでしょう。可能性があるとすれば戦力に恵まれず、なおかつ投手が打席に入るナ・リーグのチーム。投手として年間70打席、代打で30〜40打席、交流戦のDHで5試合くらいスタメンならあり得るかもしれません」

 大谷が二刀流にこだわるなら、キャッシュマンGMにヒジ鉄をくらわせてナ・リーグの弱小球団を選択することになりそうだ。


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