権藤博氏が虎首脳に苦言「藤浪をトレードに出すべき」

藤浪晋太郎が二軍落ち 野球評論家の権藤博氏は「藤浪をトレードに出すべき」と苦言

記事まとめ

  • 藤浪晋太郎が巨人戦で坂本勇に死球を与えるなどし崩れ、今季4度目となる二軍落ち
  • 野球評論家の権藤博氏が「磨ける指導者が存在しないのならトレードに出すべき」と苦言
  • 権藤博氏は、投手コーチを務めた3月のWBCで藤浪を日本代表に選出している

権藤博氏が虎首脳に苦言「藤浪をトレードに出すべき」

権藤博氏が虎首脳に苦言「藤浪をトレードに出すべき」

今季3勝5敗、防御率4.12(C)日刊ゲンダイ

コラム【権藤博の「奔放主義」】

 藤浪晋太郎(23)がまた、二軍に落とされた。

 12日の巨人戦で四回途中に4失点で降板。三回までは、長野のソロ本塁打を含む2安打1失点に抑えていたが、四回の先頭打者・坂本勇に死球を与えた直後に崩れた。

「同じことの繰り返し。死球を当てた後の投球に支障が出る。なんとかしてもらわないと」

 とは、投手コーチのコメント。すぐさま登録抹消が決まったわけだが、藤浪の二軍落ちはこれで今季4度目である。

 制球が荒れ、死球を当て、腕が振れなくなって痛打を食らう。投手コーチの言う「同じことの繰り返し」とは、そういうことだろう。しかし、その後に続く「なんとかしてもらわないと」という言葉は、そのまま首脳陣にも当てはまる。

 藤浪は5月4日に今季3勝目を挙げて以来、7試合に登板して1度も白星がない。長いトンネルに迷い込んだ23歳の若き右腕に対し、首脳陣は4カ月もの間、なにをやっていたのか。

 打たれるたびに二軍に落としながら、藤浪の状態は変わらない。5月末からは、約3カ月間も二軍に置きっぱなしということもあった。コーチ陣に藤浪を復活させる手立てがないのではないか。再生にサジを投げ、もう手に負えないから一軍と二軍を行ったり来たりさせているのではないか。そんな厳しい見方もせざるを得ないのだ。

 仮に藤浪の不振が危険球に起因するメンタル面にあるとすれば、なおさら今の使い方では復活は難しい。ダメなら二軍というやり方は、プレッシャーを増大させるだけ。藤浪はマウンドに上がるたび、「きょうこそは」「今度こそは」と自分で自分に重圧をかけてしまっているはずだ。投手は繊細でナーバスな生き物である。マウンド上では常に孤独と戦っている。そこへ、味方からプレッシャーをかけられる。これほどつらいことはない。「なんとかしてもらわないと」なんて言葉は言語道断。なんとかしてやるのがコーチの仕事だ。

 投手コーチを務めた3月のWBCで私は藤浪を日本代表に選出した。巨人の菅野と日本ハムの大谷、そしてこの藤浪は、今の日本球界で別格の存在だと思っているから、調子の良し悪しは関係なく、選ぶべきだと思って招集した。短期決戦という大会の性質上、藤浪を存分に使いこなせはしなかった。しかし、日本代表と名のつく以上、そこに藤浪を呼ばないという選択肢はなかった。藤浪はそれほどの素材だ。

 阪神にその素材を磨く方法、磨ける指導者が存在しないのなら、トレードに出すべきだ。大谷がメジャーに行くのであれば、彼を伸び伸び育てた日本ハムに預けたらどうか。苦しむ藤浪を見ていると、そんなことまで思ってしまう。

(権藤博/野球評論家)

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