FA美馬&鈴木獲りで“金満”原監督「人的補償は敵」の大放言

巨人の原辰徳監督がFAの"人的補償"について持論を展開 「人的補償なんて敵」

記事まとめ

  • 巨人の原辰徳監督が、楽天・美馬学とロッテ・鈴木大地の獲得に乗り出す方針を明らかに
  • 原監督は「本当は撤廃して欲しい」などとFAの「人的補償」について持論を展開した
  • 巨人は、昨オフは丸の人的補償として長野が広島へ、炭谷の人的補償で内海が西武へ移籍

FA美馬&鈴木獲りで“金満”原監督「人的補償は敵」の大放言

FA美馬&鈴木獲りで“金満”原監督「人的補償は敵」の大放言

「ルールなんて変えればいい」(C)日刊ゲンダイ

■巨人ファンも「さすがに……」

 巨人の原辰徳監督(61)が4日、秋季練習が行われた川崎市のジャイアンツ球場で、国内FA宣言をした楽天・美馬学投手(33)とロッテ・鈴木大地内野手(30)の獲得に乗り出す方針を明らかにした。「美馬君に対しては手を挙げたということ。150イニング近く投げられる人は、いそうでいない」と評価。鈴木についても「慎之助の穴を埋めるのと、選手層を厚くするには必要な選手」と認めた。

 原監督の報道陣への独演会はこれだけでは終わらなかった。2人はともに所属チーム内の年俸上位4位から10位以内に入るBクラスに当たるとみられる。獲得した球団は旧年俸の60%の金銭、もしくは「28人」のプロテクト外の選手1人と旧年俸の40%の金銭を楽天、ロッテに求められることになる。原監督はこの「人的補償」について持論を展開したのだ。

「人的補償なんて敵。FAでこっちはお金をたくさん払ってるのに、あれはなんのメリットもない。プロテクト28人なんてふざけてる。これはなくす必要がある。そうしたら、他のチームも参戦すると思う。(補償は)お金だけでね。FAってのは明るいことなのに、それを暗いニュースにさせる。FAで取るっていうのは、野球界全体の活性化。それはマイナスではなくプラス。ルールだから仕方ないって、ルールなんて変えりゃいいんだから。28人なんて、ホント小さな(プロテクトの)枠。資本主義なんだから、きちっとFAに対して手を挙げて、お金も払ってそれで終わりよ。人的補償って犠牲者みたいな名前も悪い。ふざけてるよ」

 巨人はFA補強の代償として多くの人材を失ってきた。昨オフは丸の人的補償として長野が広島へ。炭谷の人的補償で内海が西武へ移籍した。2人とも選手会長経験者の大物だっただけに、28人のプロテクト枠から外した原監督が批判されるなど物議を醸した。最近では奥村(ヤクルト)や平良(DeNA)ら若手を失ったケースもあった。巨人はこれまでFAで総勢26人を獲得し、13人が人的補償として他球団へ移籍している。

 巨人ファンのコジロー氏(漫画家)が「巨人が強くなるのはうれしいですが、さすがにこれは暴論に聞こえますね」とこう続ける。

「FAの人的補償というのは、リーグの戦力均衡のためにあるわけでしょう。そうでないと、財力がある巨人やソフトバンクが選手を取りまくり、戦力が集中してしまうのは目に見えています。巨人ファンとしては、勝つのと同時に自前のスターを育てて欲しいという思いもあるんです。他球団がこれを聞いたら『何を言ってんだ!』と怒ると思います」

■「参加しない球団を叩くべき」

 それでも原監督は止まらない。

「きちんと手を挙げて、お金を出して、その分の補償も払う。にもかかわらず、その球団を『悪』みたいに言うのがいるのもひどい話。『よくぞ巨人は手を挙げた』と。『FAを滅ぼさないで、いつでも参加してね』と言ってくれるならまだ話は分かる。むしろ参加しない球団を叩くべきだ」

 そう「金持ちの理論」をまくし立てた原監督は、日本シリーズでソフトバンクに4連敗を喫した直後に「セもDH制を」とブチ上げたばかり。DH制導入については、球団フロントがすぐさま反応。パの球団が7年連続で日本シリーズを制している現状を踏まえ、セ・リーグ全体で課題を共有するべく、分科会の立ち上げを提案し、そこでDH制導入を検討するとみられている。かつては逆指名ドラフト、FA制度も巨人が主導して導入された歴史がある。原監督の我田引水のFA改革も単なる放言では片付けられない怖さがあるが、前出のコジロー氏はこう言った。

「近年はパの球団が地域密着で独自の経営スタイルを築いたことで、巨人におんぶに抱っこじゃなくなってきたのではないか。時代が変わってきたのです。巨人も数年前に野球賭博事件を起こしたり、しばらくリーグ優勝から遠ざかっていたこともあって、球界内で発言力が弱まっているのも考えられます」

 原監督はさらに「投手20(人)、野手20だったら話は分かる。本当は撤廃して欲しいけど、(プロテクトの)枠をもっと広げないといけない。28って狭すぎる。一軍枠は29。せめて30にするくらいに。日本シリーズは40。平等の不平等だよ」とプロテクト枠の増員を訴えた。とはいえ、もし美馬と鈴木をFAで獲得すれば、現有戦力から2人を失う可能性が高い。28人のプロテクトリストは原監督が作成するという。

「それはそうでしょう。つらい作業。こんなおかしいルールはない。なんとかならないか?」

 だったらFA補強自体を見送って生え抜きの若手を育てればいいのに、との声も聞かれるが、「FAしたら参加するのが巨人。そうしないとFAがダメになる。FAは選手にとっては名誉だから」と胸を張るこの人に、そんな声は届きそうにない。

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