他社もフェースガード導入開始 「子供目線」でケガを考える【用具のプロが鳴らす野球界への警鐘・下】

他社もフェースガード導入開始 「子供目線」でケガを考える【用具のプロが鳴らす野球界への警鐘・下】

日ハムの中田はミズノ社製(C)日刊ゲンダイ

【用具のプロが鳴らす野球界への警鐘】(下)

 ヘルメットに外付けされたフェースガードは、つける選手が増えた一方、ソフトバンクの松田やDeNAの宮崎は着用していない。球団からの“制限”がなければ、選手本人による選択の自由。それでも、道具に差が生まれることで「不公平」を指摘する声もある。フェースガード「C―FLAP」(米マークワート社製)の輸入代理店を務めるカシマヤ製作所の西上茂社長はこう話す。

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 フェースガードが「バッター有利な商品じゃないか」という見方をされているのも疑問です。確かに、つけることで死球への恐怖心が減って踏み込める。視野が狭くなることで、選手によっては集中できるという人もいます。

 その一方で、邪魔だという人もいて、つけたから全員の打率が上がるというわけじゃない。例えば、DeNAのソト選手はつけるとバットが振りにくいからと言ってつけていませんが、結果を出しています(2年連続本塁打王)。

 C―FLAP以外のフェースガードを使っている選手もいます。日本ハムの中田翔選手はミズノ社製のものをつけています(昨季まで日本ハムでのフェースガード使用者はゼロ)。オリックスの吉田正尚選手はヘルメットと一体型のローリングス社製のものを着用。C―FLAPだけでなく他社メーカーもフェースガードを作って導入を始めている。少しずつ変わり始めているなと感じています。

 フェースガードの存在意義が大きくなれば、高野連やアマチュア野球連盟への疑問も大きくなってこざるを得ない。逆に、高野連からのゴーサインが出れば、一気に広がるんじゃないかと思っています。

■子供目線で物事を考えてほしい

 販売代理店さんの意識も高まっています。9月4、5日に東京、大阪、福岡でC―FLAPの展示会を開きました。計300社近くの人が来てくれた。集まってくれた人の多くの質問もやはり「どうして高校野球や社会人野球はダメなんですか」というものでした。その疑問にお答えできないのが申し訳ないなと思いましたね。

 現状、アマチュア連盟は子供の目線で物事を見られていない気がします。このままだと、野球をやらせたいという親御さんも減ってしまう。骨折なら打撲、打撲なら擦り傷で済む……できるだけケガを減らしたいと願うばかりです。 =おわり

(西上茂/カシマヤ製作所 社長)

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