鈴木・美馬・福田を過大評価…「凶作FA」に大金をつぎ込むプロ球界の愚

鈴木・美馬・福田を過大評価…「凶作FA」に大金をつぎ込むプロ球界の愚

左からロッテ・鈴木、SB・福田、楽天・美馬(C)共同通信社

セ・リーグのある編成担当者に言わせると、今年のFA市場は「不作を通り越して凶作」だそうだ。

 移籍を視野にFA権を行使したのは4人。メジャー移籍を目指して海外FA権を行使した西武の秋山翔吾外野手(31=年俸2億3490万円)はともかく、国内球団への移籍が濃厚なロッテの鈴木大地内野手(30=同1億円)、楽天の美馬学投手(33=同6500万円)、ソフトバンクの福田秀平外野手(30=同3600万円)に関してだ。

 広島から巨人に移籍した丸、西武から楽天の浅村、オリックスから阪神の西ら、各球団のエースや中軸打者がいた昨オフと比べると、かなり小粒なのは間違いない。

「鈴木は内外野を守れるオールラウンドプレーヤーだけど、過去8年間で一度も3割を打った経験がない。といってパワーがあるわけでもない。今年、自己最多の15本塁打をマークしたのも、本拠地に設置したラッキーゾーンのおかげですよ。美馬は過去9年間で2ケタ勝利を挙げたのが2017年の一度だけ(11勝8敗)。右肘に5回もメスを入れているし、33歳という年齢もネックになる。福田は走攻守と三拍子そろった選手ですが、レギュラーを張った経験が一度もない。ソフトバンクの層の厚さを考慮しても、粒は小さいですね」とは前出の編成担当者だ。

■明らかな過大評価「FAバブル」

 にもかかわらず、この3人をめぐって、すでに争奪戦に発展。鈴木に対しては楽天、巨人、中日、美馬にはロッテ、巨人、ヤクルト、福田には西武、ロッテ、中日、ヤクルトが獲得に乗り出しているという。巨人は5日、鈴木と交渉。3日には美馬と交渉したことも明かした。しかも鈴木には楽天が「4年7億円」、福田には西武が「4年5億円」、美馬にはこの日交渉したヤクルトが「3年3億円」を超す条件を提示したといわれている。

「各球団とも選手の価値を正当に評価しているとは思えません。明らかな過大評価、FAバブルですよ」と、スポーツライターの工藤健策氏がこう続ける。

「エースや4番打者が争奪戦になり、結果としてマネーゲームになるというならまだしも、鈴木も美馬も福田もそこまでの選手ではない。なのに相場以上のカネを積んで争奪戦を展開している現状はバカげているとしか言いようがありません。その選手の価値を純粋に評価するのではなく、獲得することに目の色を変えている。だから法外なカネを積むのです。しかも鈴木と美馬はBランクの選手ですから、人的補償が発生する。プロテクトし切れない若手成長株を1人失ううえ、彼らを獲得することで若手が1人出番を失う。つまりFAで鈴木や美馬を獲得すれば、2人分のマイナスが生じる計算になるのです。エースや4番ならメリットもあるかもしれませんけど、そうでない選手に相場以上のカネを払って獲得することは、むしろダメージになりかねません」

 それでもFA選手にカネを積むのは、実際に取りにいく球団だ。“体力”のある金満チームはどんなカネの使い方をしようと構わないのか。

■ファンも見放す

「それは違う。プロ球団の最も大きな収入は入場料です。ファンが支払っている入場料収入を抜きにプロ野球は成り立ちません。ファンだってFA選手を過大評価して法外なカネを使うなら、活躍した選手の給料をもっと上げてやるとか、選手のトレーニング施設をより充実させる方がよほど効果的だと思っているに違いありません。球団がいい加減なカネの使い方をすれば、ファンも声を上げる権利があるし、上げてもムダだと思えば離れていくだけです。こういうカネの使い方が当たり前になるようだと、いよいよファンは見放すでしょうし、プロ野球界は先細りだと思いますね」とは前出の工藤氏だ。

関連記事(外部サイト)