発覚! 強豪・開星高野球部監督が体罰告発、退任要求されていた

強豪・開星高校野球部で試合後罰走30kmなどの体罰問題浮上 保護者が退任要求の嘆願書

記事まとめ

  • 春夏通じ13度の甲子園出場を誇る開星高校(島根)に体罰問題が浮上しているという
  • 秋季島根大会準々決勝で敗れ来春甲子園出場を逃した直後、30キロの罰走を命じたそう
  • 学校に帰った後は素振り2千本を課したそうで学校内外で「体罰だ」と騒ぎになったとか

発覚! 強豪・開星高野球部監督が体罰告発、退任要求されていた

発覚! 強豪・開星高野球部監督が体罰告発、退任要求されていた

2017年夏の甲子園出場時の山内監督(C)日刊ゲンダイ

強豪校が揺れている。春夏通じて13度の甲子園出場を誇る開星高校(島根)で、体罰問題が浮上していることが8日までに分かった。

 秋季島根大会準々決勝・平田高校戦(平田愛宕山野球場)が行われた9月24日。開星は1―2で敗れ、来春甲子園出場を逃した。

「試合に敗れた直後でした。帰りのバスに乗ろうとした部員に対し、同校の山内弘和監督(44)が『学校まで走って帰れ!』と激しい口調で叱責。球場から学校までの約30キロの罰走を命じたのです。部員たちは宍道湖沿いの国道431号(通称・湖北線)を走って学校に向かった。試合に来ていた観客も含め、多くの人がその光景を見ています」(地元関係者)

 全力で試合を戦い、体力、精神力を使い果たした直後の罰走。しかも、部員たちが走る国道431号は片側1車線の狭い道路で、歩道が途切れる箇所もある。この話を聞きつけた一部の保護者が、部員が交通事故に遭っては大変だと学校に問い合わせたうえで、自らの判断で車で駆けつけ、後ろから部員たちを見守ったという。

■罰走、素振り2000回

 県内高校野球関係者の話。

「その後、学校は山内監督に連絡。事情を聴いたうえで、バスで部員を途中まで迎えに行くことにした。それで終わったかと思いきや、山内監督は学校に帰った後にも部員たちに2000スイングもの素振りを課した。さすがにやり過ぎたと感じたのか、数日後、山内監督は部員を集め、『決して腹を立ててやったことではない。夏に向け、頑張ってほしいという気持ちでやった』と釈明したそうです。学校内外では『これは体罰だ』と大騒ぎになり、地元マスコミも取材に動きました」

 山内監督は「腹切り発言」で物議をかもした名将・野々村直通前監督の教え子で、コーチ、臨時監督を経て、2012年4月から正式に監督就任。春夏甲子園に3度導いている。しかし今年2月には部員への暴力行為による体罰で4カ月間の謹慎処分を受けた。今回の一件は、謹慎が解けた後のことだ。

■保護者が退任求める嘆願書

 こうした山内監督の“行き過ぎた”指導に不信感を抱く一部の保護者が、島根県高野連や私立学校も管理・監督等を行う島根県庁総務部内の私学・県立大学室などに指導改善と監督退任を求める嘆願書を送っている。

 島根県高野連の万治正理事長は、日刊ゲンダイの取材に「投書が届いたことは事実」と認めたうえで、こう回答した。

「今回の件に関する連絡は、秋季大会直後とつい先日の計2回ありました。学校の村本副校長(県高野連副理事)に確認をすると、監督から聞き取りをし、きちんと安全管理をしているということでした。保護者の手を借り、給水ポイントを設け、途中の段階で部員をピックアップして帰った、と。途中で体調を崩した部員もいなかったと聞いている。学校としてはあくまでロードワークという認識で、こうしたロードワークは松江市内で定期的にやっているそうです。高野連としては問題視する考えはありません」

 ではなぜ、今回の“ロードワーク”に対し、保護者が不信感を募らせているのか。

「山内監督は以前から行き過ぎた指導を繰り返していると言う声がある」

 と、別の地元高校野球関係者がこう続ける。

「部内では指導中に感情が先走り、部員への腹いせでやっている、という声がある。今すぐにでも暴力を受けたことを打ち明けたい、という監督の教え子も複数います。処分を受けた2月の体罰についても、平手で殴られたある主力部員はその翌日、耳にガーゼを当てて学校に来ていた。大ケガを負ったのではないかと騒ぎになったが、学校はケガはなかったと否定。誰かがミスをすれば、その部員を集中的に責める。昨夏、松江市営野球場で練習試合が行われた際にも、炎天下の試合前のノックで一塁手が標的になった。わざと外野へ打った打球を何度も取りに行かせたうえに、一塁付近で強烈な打球を浴びせ続けた。ベンチに戻るとその部員に『おまえみたいなやつは学校へ帰れ!』と激怒。『帰りません!』と言う部員を罵倒することを5度ほど繰り返し、結局その部員は炎天下でひとり、学校までの3キロを自転車でフラフラの状態で帰り、脱水症状になりかけています。それでも部の関係者は『いつものシゴキでしょ?』と涼しい顔で話していました」

■校長は「体罰ではない」

 山内監督に事実確認をするべく直撃すると、「校長の許可をいただかないと、個人的な意見をお話しすることはできない」としたものの、罰走については「保護者会の方から一切、そう(体罰)とは思っていませんという話があった。そういうことで騒がれ、不快に思っている部員もいる」とした。

 詳しい話を聞くため、大多和聡宏理事長兼校長に問い合わせると……。

「秋の大会直後の9月にも、高野連にその件の連絡があり、それを受けて学校でも調査をした。体罰ではないと学校としては判断している。学校として保護者の方にもお話をして、そういうふうに思っている保護者は基本的にいない、と。逆に生徒たちの活動を妨害することに対して、学校もしっかりやってもらいたいとのことでした。保護者の中に協力しない人がいるけれども、それは多数ではないということは言われていますので。現時点ではこれ以上のコメントは差し控えさせていただきます」

 日刊ゲンダイの「暴力行為のみならず、体罰と受け取られるような指導は必要だと思うか?」との問いにも、「これ以上、コメントすることはない」と答えるのみだった。

 学校はあくまで体罰を否定するのだが、かの前任者は、古巣の現状や教え子のことをどう見ているのか。野々村前監督を直撃すると、「すでに私は学校を退職し、野球部に関わっていません」と前置きし、こう語った。

「たしかに、そうした話が聞こえてこないわけではないですが……。山内監督は教え子で、私が監督在任中にコーチとして来てもらった。監督として頑張ってもらいたいと思って、何度かアドバイスをしたこともある。私も教え子に手を上げたことはありますが、試合で疲れている中、長距離を走らせ、しかもその後2000回もの素振りを課すのは、教育から逸脱した体罰、いじめとみられても仕方がない。感情的にひとりの部員を執拗に責め立てることも含め、もはや、人の道からも外れてしまっているのかもしれない。子供たちのためにもならず、非常に情けないこと。指導者から身を引くべきではないでしょうか」

 恩師でさえ教え子に“退場宣告”を突き付ける異常事態。島根の名門野球部は今、分岐点にさしかかっている。

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