来春センバツ出場へ 私が見た関東&九州の注目投手5人

来春センバツ出場へ 私が見た関東&九州の注目投手5人

今夏の甲子園は1回戦敗退(C)日刊ゲンダイ

【松坂、涌井、筒香を育てた 鬼の秘伝書】

 この秋、私が臨時コーチを務める山梨学院(山梨1位)、城北(熊本2位)の2校が関東大会と九州大会に出場。そこで問題が発生した。大会の日程が10月19日からと丸かぶりだったからだ。

 県大会は山梨学院に帯同した。その後、城北を見るため、九州大会が行われる佐賀県に入った。すると、私が宿泊するホテルに一枚のDVDが届いた。

 送り主は山梨学院の吉田監督から。「データを分析してほしい」とのことだった。勝てば来春のセンバツ甲子園出場に当確ランプをともせる、重要な関東大会準々決勝で対戦することが予想される優勝候補の花咲徳栄(埼玉1位)のもの。中身は埼玉大会準決勝の浦和学院戦だ。延長十回の激闘を制した試合だったが、参考にならないと思った。浦和学院の投手は右の本格派。山梨学院は左の技巧派。投手が真逆のタイプなら、花咲徳栄の打者の対応は全く違うものになるはずだからだ。

 しかし、やるしかない。データ分析は頭が冴える朝に行う。4時に起床。まずは2、3時間かけて試合を見た。花咲徳栄は4番・井上を中心とした強力打線。打者を徹底的に分析した。構え、バットスイングの軌道、体の使い方を見れば、打球方向の傾向がだいたい出てくる。打者によって思い切って守備位置を変えるよう「小倉ノート」にしたため、吉田監督にFAXした。試合ではその守備シフトがはまったようだ。山梨学院の左腕エース・吉川が4安打1失点。大一番を2―1で勝ち切った。私が合流した準決勝も勝利。決勝の健大高崎(群馬3位)戦は0―3で完封負けを喫したものの、上出来の準優勝となった。

 関東大会を振り返ると、優勝した健大高崎は投手力が高かった。決勝で山梨学院が完封された右の橋本、エース左腕・下の二枚看板。4強の東海大相模(神奈川1位)にもいい素材がいる。この秋は、大事に起用されていた1年生左腕で、背番号10の石田に注目している。

 一方の城北は初戦の富島(宮崎1位)戦こそ8―7で勝利したものの、準々決勝の鹿児島城西(鹿児島2位)に0―8で完敗。センバツ出場は厳しくなった。ダイエー(現ソフトバンク)などで活躍した就任2年目の佐々木誠監督率いる鹿児島城西のエース・八方が目についた。4強に入り、春夏を通じて初の甲子園出場が濃厚。健大高崎同様、投手力がしっかりしている。九州大会準優勝の大分商(大分2位)のエース・川瀬も好投手だ。

■球数制限の次は「リプレー検証」を

 秋の大会を見ていて「誤審」が多いと感じた。プロ野球では「リプレー検証」が行われ、プロの審判の判定でさえ、かなりの確率で覆っている。高校野球の関係者からは「審判の名誉のために、それはできない」との声を聞くが、名誉も何も、アマチュアなのだから、プロより高い確率で誤審が起きるのは仕方のないことだ。

 せめて甲子園大会の1点を左右する本塁上のクロスプレーだけでもビデオ判定を導入できないか。来春の甲子園から投手の球数制限について、1人の投手の投球数を「1週間で500球まで」と決定したという。3年間は試行期間で議論していくそうだが、日本高野連はぜひ「リプレー検証」も検討してほしい。これは現場の声である。

(小倉清一郎/元横浜高校野球部部長)

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