山口俊がポスティングでメジャー移籍へ 巨人初の容認「4つの裏事情」

巨人が山口俊のメジャー移籍容認へ ポスティングシステム(入札制度)利用は初

記事まとめ

  • 巨人の山口俊がポスティングシステムを利用して米メジャー移籍を目指すことが分かった
  • 山口は今季は最多勝(15勝)、最多奪三振(188)、最高勝率(・789)の3冠
  • 巨人がポスティング移籍を認めるのは、原辰徳監督の甥っ子である菅野智之が関係とも

山口俊がポスティングでメジャー移籍へ 巨人初の容認「4つの裏事情」

山口俊がポスティングでメジャー移籍へ 巨人初の容認「4つの裏事情」

プレミア12決勝の韓国戦では初回に2発を浴び3失点で降板(C)日刊ゲンダイ

まさに電撃である。

 侍ジャパンの一員としてプレミア12に出場し、17日の韓国との決勝に先発した巨人山口俊(32)が今オフにポスティングシステム(入札制度)を利用して米メジャー移籍を目指すことが分かった。巨人はこれまでかたくなに同制度を認めてこなかったが、容認する可能性が高いという。

 山口はDeNAからFAで入団して3年目。今季は最多勝(15勝)、最多奪三振(188)、最高勝率(・789)の3冠の活躍で、チームを5年ぶりのリーグ優勝に導いた。球団の容認はその“論功行賞”とも言われるが、それにしても突然の変節だ。

■17年7月の暴行事件も無関係ではない

 一体、何があったのか。まず挙げられるのが“密約”説である。

 話は2016年オフに遡る。DeNAから山口がFA宣言した際、巨人と中日が激しい争奪戦を繰り広げた。さる球界関係者がこう言う。

「交渉の席で山口が重視していたのが、ポスティング移籍を容認するという要項を盛り込めるかどうか、だった。中日は山口サイドの希望を承諾したといいます。争奪戦に勝つため、巨人も仕方なく当時のGMが認めた可能性が高いという話が広まっていました」

 山口がFA入団1年目に起こした暴行事件も無関係ではない。

 17年7月、都内の飲食店で泥酔し、ガラスで右手の甲を負傷した山口は、酒に酔った状態で訪れた病院で扉を壊し、男性警備員を負傷させた。すぐに表沙汰になり、球団から8月18日以降のシーズン終了までの出場停止と総額1億円以上の罰金、減俸、複数年契約の短縮などの処分を受けた。

 巨人のさるチーム関係者がこう言った。

「その後、日本プロ野球選手会が球団側に再検討を求めるなど騒動が拡大したが、最終的には本人が我慢する形で終結。忸怩たる思いを抱えながら、この2年間プレーしていたようです。実は契約が切れた昨オフも山口はポスティングではなく、自由契約を願い出てメジャーへ挑戦する準備を進めていた。それが、年俸2億3000万円の2年契約を提示され、翻意した経緯があります」

 今季は投手部門3冠。しかし、球団との下交渉では、ほぼ金銭面の上積みがなかったという。

「『固定制』か『変動制』かにもよるが、通常、複数年契約は年俸固定制が多い。上がらなくて当たり前。しかし、山口は最多勝で5年ぶりのリーグ優勝に貢献したのに、球団から思ったような昇給を引き出すことができず、移籍直訴に至ったようです」(前出のチーム関係者)

■菅野が第1号でなかった理由は?

 一方の球団側は、FA入団1年目にいきなり暴力事件を起こされ、迷惑を被った印象が拭えない。特にアレルギーがある球団首脳もいる。そこへ、今季の成績を盾に年俸を吹っかけられても、はいそうですか、とは応じられない。「球団側からすれば、厄介払い」と言う関係者もいるのだ。

 最終的には「全権」を握る原監督(61)が山口のメジャー挑戦を認めたことになるが、これには甥っ子であるエースの菅野(30)のことがリンクしている。原監督は今月上旬、「凄く頑張って頑張ってジャイアンツで一生懸命やったと。で、私の夢はこうなんだと。これは結果として、ないとは言えない」とポスティング容認の方針を明かしていた。

 昨季9勝9敗の山口が「凄く頑張って頑張ってジャイアンツで一生懸命やった」といえる投手とは思えないが、原監督と近しい関係者がこう言った。

「甥っ子でもある菅野がメジャー志向を公言している。ポスティング容認第1号を菅野にすれば、チーム内で『原監督は身内に甘い』という印象になってしまう。それは避けたいでしょう。菅野が海外FA権を取るのは21年中。ポスティング申請するなら来オフになる可能性が高い。原監督の契約がまだ1年残っている段階ですから」

 最後はアマチュア球界との関係である。夏前まで巨人の長谷川スカウト部長は「奥川もいい投手。でも佐々木はそういう次元じゃない」とまで言っていた。それなのに、ドラフトでは163キロ右腕・大船渡の佐々木(ロッテ1位)を回避し、星稜の奥川(ヤクルト1位)を1位で指名した。

「ともにゾッコンだった巨人とソフトバンクが最終的に佐々木の1位指名を回避したのは偶然とは思えない。佐々木にはメジャー志向があって、しかし両球団は入札制度を認めていない。佐々木側に将来的にそういう希望があったため、回避したのではないか。今の有力アマチュア選手は、将来的な目標をメジャーに置く選手が多い。入札を認めていなかった巨人は、ドラフト候補に敬遠される。どこかで方針転換する必要がありました」(巨人OB)

 そういえば、原監督は先日、こんな持論を展開していた。

「例えば高校生を取る時、何年でポスティングで米国に行かせるからと。もし、そういうのを契約の中に入れていたら重罪だよね。たぶん俺はそんなふうに入れたのが(球界に)何人かいるんじゃないかと思うんだけど」

 FA戦線では獲得に名乗りを上げていた楽天・美馬に逃げられ、エース格・山口も流出の可能性が高まった。早くも来季のV2に暗雲である。

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