BC埼玉入り田澤はメジャー9年間で25.6億円!腕に覚えのあるアマ選手へのインパクト大

BC埼玉入り田澤はメジャー9年間で25.6億円!腕に覚えのあるアマ選手へのインパクト大

BCリーグ埼玉に入団した田澤純一(C)共同通信社

「日本の皆さんに応援してもらえるように頑張りたいと思う。オファーをもらって、率直にうれしかった」

 米大リーグ、レッドソックスなどで活躍した田澤純一(34)が13日、独立リーグのルートインBCリーグ埼玉の入団会見でこう言った。

 メジャーでの9年間は主に中継ぎとして388試合に登板して21勝26敗、4セーブ、防御率4・12。今年3月、レッズとのマイナー契約を解除されていた。

 2008年、日本のプロ野球を経ずに直接、海を渡った経緯から、アマ選手の海外流出に歯止めをかけようとプロ野球界が作ったのが「田澤ルール」。

■大卒・社会人は2年、高卒は3年

 アマ選手がドラフトやNPB入りを拒否して海外球団と契約した場合、海外球団を退団後、大卒・社会人は2年間、高卒は3年間、NPBの所属球団と契約できないという制度だ。

 田澤自身もこのルールの対象者だけに、日本のプロ野球入りに関する質問も飛んだが、「いまは考えていない」という。

「今回の独立リーグ入りを、NPB入りまでの腰掛けとみる声もありますけど、日本のプロ野球もそこまで甘くないでしょう」と、パのある編成担当者がこう続ける。

「田澤のストレートの平均球速は、14年の153キロをピークに18年は148キロ。年々、球威は落ちているのです。10年には右肘靱帯を修復するトミー・ジョン手術を受けているし、投げるテンポもはっきり言って悪い。1球投げるのに要する時間はメジャーでもワーストに近かった。あれでは守っている野手もしんどいと思う」

 今回の独立リーグ入りは年齢を考えても、単に力が落ちただけというのだが、それでも田澤が海の向こうで改めて証明した事実がある。それはメジャーはケタ違いに稼げる世界ということだ。

18年の年俸は7億5000万円

 田澤はレッドソックス時代、一時的に抑えを務めたことがあるとはいえ基本的に中継ぎだった。それでいてメジャー9年間の稼ぎは、実に約25億6000万円にのぼる。年俸最高額はマーリンズに在籍した18年の約7億5000万円だ。いまのプロ野球の最高年俸は巨人の菅野の6億5000万円だから、たとえ中継ぎでもメジャーで実績を積めば日本のエースを上回るカネを稼げるのだ。

 ちなみに昨年のメジャーの平均年俸は約4億8000万円。日本のプロ野球は3985万円だから、ざっと10倍以上になる。

「田澤ルール」ができて以降、アマ球界から直接、海を渡った選手はほとんどいない。あの大谷(現エンゼルス)も高校から直接、メジャー挑戦しようとしたものの結局、ドラフトで指名された日本ハムに入団した。

 日本のプロ野球を経ずに米球界入りしたとしても、うまくいくとは限らないし、仮に結果が出ずにクビになってもすぐにはプロ野球でプレーできない田澤ルールが足かせになっているのは否定できない。

■結果を出すしかない

 大金を積んでバリバリのメジャーリーガーやメジャーのドラフト1巡目選手は取ってくるくせに素質あるアマ選手は日本から出ていかないように縛りつける。いかにも日本的な島国根性丸出しの規則だが、田澤は退路が断たれたことで結果を出すしかなかった。理不尽なルールを、むしろモチベーションにして目の色を変えたのではないか。

 メジャーリーグは世界最高峰。そのレベルは間違いなく日本のプロ野球より高い。だが、よりレベルの高い世界に挑みたいと思うのはアスリートの本能でもある。チャレンジするなら、少しでも若く、環境に適応しやすいうちがいい。腕に覚えのあるアマ選手はどんどん、メジャーに挑戦すべきではないか。いきなり海を渡った田澤が結果を残して大金を稼いだ事実は、後進の考え方や進路に大きな影響を与えそうだ。

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