ソフトB川島と日ハム杉谷が試合中にジャンケン…星野仙一監督なら即「2軍落ち」を通告

ソフトB川島と日ハム杉谷が試合中にジャンケン…星野仙一監督なら即「2軍落ち」を通告

ソフトバンクの川島、日本ハムの杉谷両選手(C)日刊ゲンダイ

信じられない光景だった。

 7月26日のソフトバンク対日ハム戦の4回裏のことだ。内野安打で出塁したソフトバンクの川島慶三内野手が2塁盗塁を試みたものの、あえなくタッチアウト。この判定にソフトバンクの工藤公康監督がリクエストを要求。審判団がビデオ検証を行い、判定するまでの間、2塁ベース付近で川島選手と日本ハムの杉谷拳士内野手が突然、ジャンケンを始めたのだ。

「アウトかセーフかジャンケンで決めよう」

 そんな軽い気持ちだったのかもしれない。

 そのシーンはテレビで中継され、ネット上の動画でも拡散されているのだが、2人の行為は厳密にいえば、野球規則に抵触する恐れがある。

<プレーヤーの禁止事項の6.04>の<(b)ユニフォーム着用者は、次のことが禁じられる>にはこうある。

<監督、コーチまたはプレーヤーが、試合前、試合中を問わず、いかなるときでも観衆に話しかけたり、または相手チームのプレーヤーと親睦的態度をとること。>

 2011年3月のプロ野球12球団実行委員会でも、この規則の徹底が確認された。当時、大相撲で八百長が発覚し、プロ野球でも選手同士のなれ合いを排除するためだった。

 川島、杉谷両選手がジャンケンをする姿を見て思い出されるのは、昭和40年から48年まで巨人を日本一に導いた名将・川上哲治監督(1920年〜2013年)だ。

 V9時代を築いたシーズン中のことだ。ある試合で、「8時半の男」として知られた巨人の抑えのエース、宮田征典投手(1939年〜2006年)がヒットを放って出塁し、1塁ベース上で相手チームの選手と談笑していた。巨人の攻撃が終わり、ベンチに戻った宮田投手は、川上監督から「相手チームの選手と話なんかするな!」と雷を落とされ、さらに試合後、こう言われたという。

「試合中、相手の選手と話をすれば、つい、愚痴が出たり、チームの内情を喋ったりしかねない。相手に隙を与えるようなことはするな」

 現役引退後、巨人や西武などで投手コーチを務めた宮田投手は、その時の様子を振り返りながら、「川上監督の厳しさがよく理解できた」と話していた。中日や阪神、楽天で監督を務めた星野仙一氏も口癖のように「グラウンドは戦場だ!」と言っていたが、もし、川上氏や星野氏がソフトバンクあるいは日ハムを指揮していたら、川島、杉谷両選手はベンチに戻るなり、即刻、2軍落ちを通告されたのではないだろうか。

▽富岡二郎 スポーツジャーナリスト。1949年生まれ。東京都出身。雑誌記者を経て新聞社でスポーツ、特にプロ野球を担当。

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