「道具」増やした豪腕=7失点KOが転機―SHOタイム2021・米大リーグ

「道具」増やした豪腕=7失点KOが転機―SHOタイム2021・米大リーグ

ヤンキース戦の1回、制球が定まらずうつむくエンゼルスの大谷=6月30日、ニューヨーク

 6月30日の敵地ニューヨークでのヤンキース戦。先発マウンドに上がったエンゼルスの大谷は、1回持たずにKOされた。2安打、5四死球で7失点。大乱調だったこの登板が大きな転機となった。

 2018年10月に右肘内側側副靱帯(じんたい)再建手術を受け、今季が投手としては本格復帰のシーズンだった。大谷は「何試合かはやっぱり探っている部分の方が強かった」と明かす。それでもヤンキース戦を迎えた時点での防御率は2点台。「感覚が悪くても抑えてしまっている状態だと(スタイルは)変えづらい。そういう意味ではいいきっかけになった」

 7月6日のレッドソックス戦からは、ストライクゾーンにボールを集めた。この試合では、カットボールやスプリットで打たせて取り、7回5安打2失点。投球数は89に抑え、四球は出さなかった。ヤンキース戦を境に9イニング当たりの与四球は約5.3から約1.2に減少。投球回数も1登板平均5回から6回3分の1に増え、大きな進歩があった。

 多彩な投球術が見られるようになった。7月19日のアスレチックス戦では、スピードを落とした直球で打者のタイミングを外したり、見逃しを誘ったりし、「そこは勘というか、投げている人にしか分からない間合いがある」。8月4日のレンジャーズ戦では、相手の直球狙いを早々と察知。スライダー系のボールを増やし、普段は軸となる直球を3割強に減らして幻惑した。

 マドン監督は「彼の道具箱にはいろいろ入っている」と評する。今では豪速球でねじ伏せる投球だけが大谷の持ち味ではない。 (ロサンゼルス時事)

【時事通信社】