阪神 金本監督に「続投示唆」で早くも勃発したお家騒動第2R

 “異例の続投宣言”となった――。
 球宴休み中の7月14日、阪神・坂井信也オーナー(69)が甲子園球場クラブハウスを訪ね、来シーズンの続投を金本知憲監督(49)に伝えた。シーズン中に、フロントが指揮官の進退を明言するのは珍しい。金本監督も「意気に感じてやるだけ」と快諾したそうだが、本心は違う。フロントと金本監督、球団と現場、両者は腹にイチモツを抱えながら、「良好な関係」を演じていただけのようだ。
 「両者の見解が大きく異なったのは、ロジャースの獲得に関する是非です。金本監督は積極的ではなかったとの話が各方面から聞かれます」(在阪記者)

 阪神は7月1日、パイレーツ3Aからジェイソン・ロジャースを緊急獲得した。クリーンアップを予定して獲得したキャンベルが全く機能していないこと、FA補強した糸井嘉男が故障で思うように成績を上げられないことなどが理由であり、ここに最近5試合で15打数11安打と爆発していた新人の糸原健斗の故障離脱も重なり、「現場」は「フロント」の迅速な補強に救われたはずだった。
 しかし、金本監督の本心は違った。金本監督はロジャース獲得にむしろ反対だったというのだ。
 「助っ人を獲れば、その分、若手を起用する機会が減ります。チームは負け越しているわけではないし、現有戦力のまま最後まで戦いたい、と」(球界関係者)

 助っ人の途中獲得が確認されたのは、6月21日の食事会だった。坂井オーナーが金本監督を招き、四藤慶一郎球団社長、高野栄一球団本部長も同席し、「トラの今後」が話し合われた。この時点での勝敗は、37勝27敗の2位。貯金10、首位広島とのゲーム差も「3」と肉薄しており、和やかな雰囲気での会食となったという。しかし、本誌でも既報の通り、ここで金本監督の去就は明言されていない。金本監督は3年ではなく、2年契約だったのだ。
 来季の契約は今季の成績次第だとしても、この会食時点では、もちろん、現在も阪神は首位広島を追撃する一番手である。
 「今回、坂井オーナー自らがクラブハウスを訪ね、わざわざメディアのいる前で続投を伝えたのは、食事会で話し合った内容が漏れてしまったからです。食事会以降の約1カ月間、経営陣は各方面から金本監督による経済効果を改めて訴えられたそうです」(同)

 食事会で助っ人を緊急補強し、射程圏内にあった広島を捉え、12年ぶりの優勝を…。経営陣はそう訴え、若手登用の路線を続けたいとする金本監督を説き伏せた。金本監督からすれば、ドラフト1位選手の選択、糸井のFA補強など、すべて意見が通ってきた。広島とのゲーム差が広がった時点で続投を伝えられて、むしろ、疑念の思いを強く持ったのではないだろうか。
 「ロジャースの打撃フォームからして、首脳陣は『変化球の多い日本では苦しむのではないか』と見越していました。なのに、早々に一軍合流させ、スタメンで起用したのは『やっぱり使えないだろ!』と経営陣に知らしめるためでもあったようです」(同)
 その通りだとすれば、金本監督は“反逆”に出たことになる。表向きは経営陣の意見に折れたフリをし、外国人選手を見る目がないことを分からしめる…。

 これまでの阪神のお家騒動は分かりやすかった。現場とフロントの衝突、一軍と二軍の首脳陣同士の不和などがそうだが、今回は「顔ではニコニコし、腹にイチモツ」という図式だ。
 「ロジャースは7月21日のヤクルト戦では2本塁打と爆発しましたが、翌日は快音ナシ。どっちが本当の姿なのかまだ分かりませんが、各球団はロジャースに対する情報を持っていません。セ5球団とひと通り対戦すれば、投手陣の配球も変わってくるので、そのとき、金本監督とフロントのどちらが正しかったか判明するでしょう」(在阪記者)

 若手の育成を掲げている金本監督ではあるが、“失策”もなくはない。エース・藤浪晋太郎は現在も二軍調整中だ。制球力のなさによるイップスで、かなりの重症との報告もあがっている。昨季はルーキーイヤーから続いていた2ケタ勝利が途切れており、奇しくも、金本監督になってから成績が落ちている1人だ。
 「鳥谷は昨季の不振から立ち直りましたが、もし、キャンベルが普通に活躍していたら、三塁でのスタメン起用もなかったかもしれない。チーム功労者でファンの人気が高い選手なのだから、『もうちょっと大切にしてくれ』というのが、フロントのホンネかも」(同)

 阪神は夏の甲子園大会のため、「死のロード」に突入する。この長期遠征で首位広島とのゲーム差がさらに広がれば、フロントは采配にも口を挟んでくるはず。
 「現場とフロントがともに期待していたのが北條史也ですが、期待を裏切っています。スイングにパワーはついたが、キレがない。金本監督が取り入れたウエイトトレーニングが疑問視されています」(前出・関係者)

 「腹にイチモツ」どころではなく、双方の思いが隠しきれなくなるのも、時間の問題だ。

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